山寺宏一演じる座間先生、”おーはー”で話題に
NHK連続テレビ小説「あんぱん」第26話では、柳井嵩が東京高等芸術学校に入学し、そこで個性的な担任教師・座間晴斗と出会いました。この座間先生を演じるのは声優の山寺宏一さん。第一声となる「おーはー、よっ」という挨拶が、かつて山寺さんが19年間MCを務めたテレビ東京の子ども向け番組「おはスタ」を彷彿とさせ、視聴者の間で大きな話題となりました。
座間先生は、「君らの将来は真っ白だ。何色に染まるかは君ら次第だ」と語り、芸術学校の自由な校風を体現する人物として登場。「机で学ぶことは何もない。おまえら、銀座に行け!世の中を、心と体で感じてこい」と学生たちに指示し、タップダンスを披露するなど破天荒な一面も見せています。
この自由奔放な教育方針は、黒井雪子教師が「大和魂を持つ教師」を目指すよう指導する女子師範学校の厳格な雰囲気と対照的で、のぶと嵩が置かれている環境の違いを鮮明に浮かび上がらせています。
山寺宏一さんの朝ドラ出演は、「半分、青い。」「なつぞら」「おかえりモネ」に続き4回目。「アンパンマン」の声優として知られる山寺さんの起用は、やなせたかしをモデルにした本作ならではの演出といえるでしょう。また、座間晴斗という名前から「アンパンマン」に登場する「ザーマス・ボンド」を連想する視聴者も多かったようです。
嵩の新たな仲間として、補欠合格ながら入学を果たした辛島健太郎(高橋文哉)も登場。健太郎と嵩のじゃれ合いや、銀座の美女を数える姿など、友情を育む様子も描かれています。「あんぱん」は、戦争へと向かう時代の中で、対照的な環境に置かれたのぶと嵩の物語が、今後どのように展開していくのか注目されています。

戸田恵子の出演が期待される「あんぱん」のアンパンマン声優たち
連続テレビ小説「あんぱん」には、アニメ「それいけ!アンパンマン」の声優陣が続々と登場しています。やなせたかし氏とその妻をモデルにした作品だけに、視聴者の間では「アンパンマン」の声優たちの出演に大きな期待が寄せられています。
すでに山寺宏一さんが座間晴斗先生役として登場し、島本須美さんも出演。山寺さんは「アンパンマン」では複数のキャラクターを担当する名脇役として知られています。座間先生の名前から「ザーマス・ボンド」を連想する声も多く、その遊び心あふれる演出に視聴者も喜びの声をあげています。
そして視聴者が最も期待しているのが、アンパンマン役の戸田恵子さんの出演です。SNSでは「戸田恵子さんは確定として」「戸田恵子の出演は当確かな」など、アンパンマンの声を担当する戸田さんの登場を待ち望む声が多数見られます。ドラマの終盤、重要な場面での「隠し球」的な登場を予想する視聴者も少なくありません。
他にも「ばいきんまん」役の中尾隆聖さんや「ドキンちゃん」役の富永みーなさんなど、アンパンマンの世界を彩る声優陣の起用を期待する声も。「最近朝ドラで緒方賢一さん、田中真弓さんと出てきてたからね…これは中尾隆聖さんもありえるな」といった予想も飛び交っています。
アンパンマンの世界観に親しんだ多くの視聴者にとって、声優陣の出演は特別な喜びとなっているようです。「あんぱん」は物語の進行とともに、アンパンマン誕生の瞬間へと近づいていくことでしょう。やなせたかし氏の創作の源泉を垣間見ることができる貴重な機会として、今後の展開がますます楽しみです。
史実との違い、やなせたかしとのぶさんの実際の出会い
連続テレビ小説「あんぱん」では、柳井嵩とのぶが幼なじみという設定で物語が展開されていますが、実際のやなせたかしさんと妻・暢(のぶ)さんの出会いは、ドラマとはまったく異なるものでした。
史実によれば、二人が出会ったのは20代後半のこと。のぶさんは大阪で生まれ、やなせさんより1つ年上だったそうです。高知市の女学校の名簿にのぶさんの名前が残っているため、父の出身地である高知に暮らしていた時期もあったようですが、幼少期からの知り合いではありませんでした。
さらに注目すべきは、のぶさんはやなせさんと結婚する前に他の男性と結婚していたという事実です。のぶさんの前夫は高知出身の6歳年上の小松総一郎さんで、のぶさんが20歳の時に結婚。総一郎さんはのぶさんにライカのカメラをプレゼントしたり、速記の習得をサポートするなど、当時としては先進的な考えを持つ男性だったようです。しかし戦時中、一等機関士として招集された際に船上で病気になり、高知に戻って療養するものの、3年後に亡くなってしまいました。
最愛の夫と死別したのぶさんは、驚くべきことに夫の死からわずか8日後、高知新聞に掲載された記者募集の記事に応募。見事合格して入社した高知新聞社で、3ヶ月後にやなせさんと出会うことになります。
やなせさんも戦争で中国に出兵していましたが、無事に復員。高知で廃品回収の仕事をしながら、進駐軍の兵舎にあった雑誌を見るうちに、父と同じ新聞記者の道を志して高知新聞社に入社しました。
ドラマでは、のぶが女子師範学校で教師になる道を歩み、嵩が東京高等芸術学校へ進むという展開になっていますが、のぶさんが本当に師範学校に通っていたかどうかは定かではありません。「あくまでもドラマはドラマとして観るしかない」「朝ドラと言うくらいだから、必ずしも史実に基づいていなくてもいい」という意見がある一方で、「実在の人物なのだから、あまり話を変えないでもうちょっと忠実の方が良いかな」という声もあり、視聴者の間でも意見が分かれているようです。
しかし、「あんぱん」は今後の展開で、史実に近づいていく可能性もあります。のぶは嵩と結ばれる前に他の男性と結婚するという流れになるかもしれません。いずれにせよ、やなせたかしさんとのぶさんの実際の人生も、ドラマに負けないほどドラマティックなものだったといえるでしょう。
嵩子からの手紙、のぶの複雑な心境
連続テレビ小説「あんぱん」第26話では、東京高等芸術学校に入学した柳井嵩からのぶへ手紙が届きました。その差出人名は「柳井嵩子」と女性名に偽装されており、女子師範学校の厳しい検閲をかいくぐる嵩の機転が光ります。
嵩は手紙の中で東京の魅力を生き生きと伝え、「のぶちゃん、いつか東京においで。ここには自由があるんだ」と誘いかけます。自由な環境で芸術を学ぶ嵩の暮らしぶりが伝わってくる内容に、のぶもつい引き込まれていきます。しかし、手紙の最後に「驚いたことに、銀座を歩いている女の人は、美女ばっかりです」と書かれていることに、のぶは思わず顔をしかめてしまいます。
「そりゃあよかったですねえ。たっすいがー(「たっすい」=「弱々しい、張り合いがない」を意味する土佐弁))の嵩のくせに、生意気じゃ」と呟くのぶの表情には、複雑な感情が浮かびます。語り手の「自由とは程遠く、もがくのぶでした」というフレーズが、彼女の置かれた状況を雄弁に物語っています。
視聴者からは「嵩子さんからの手紙が面白かった」「のぶの学校とは違いそこには自由がありそう」「嵩の『銀座には美女しかいない』に反応し切れるのぶの顰めっ面がなんとも言えない」「今田さんの焼きもちは可愛らしかった」など、のぶと嵩の関係性に注目する声が多数寄せられています。
この手紙のシーンは、自由な環境で才能を伸ばす嵩と、厳しい規律のもとで「大和魂」を叩き込まれるのぶという対比をより鮮明に描いています。「かたや『お国のために奉公する気がないから負けたのだ』とパワハラをする学校と、かたや『銀座に行って面白いもの見て来い』と生徒を野に放つ学校。両極端ですね」という視聴者のコメントが、この対比を的確に表現しています。
今後、この対照的な環境が二人の関係にどのような影響を与えていくのか。「付文とか見つかったら女子師範は退学ですからね。嵩子からの手紙が事前検閲されるようになる日も近いかもしれませ。まもなく戦争が始まります」という視聴者の声に表れているように、戦争の足音が近づく中で、のぶと嵩の関係は新たな局面を迎えることになりそうです。
コメント