朝ドラ「虎に翼」花江(森田望智)とはる(石田ゆり子)。嫁と姑の関係は難しいですね

虎に翼

伊藤沙莉さん主演NHK連続テレビ小説「虎に翼」の第15回

花江(森田望智さん)が抱えていた思いを吐露する姿が描かれた。

はるさんが花江ちゃんの料理の味付けについてあまり褒めないことが、私には気がかりでした。毎回「もう少し砂糖を加えてほしい」と指摘されるたびに、花江ちゃんは困ったような顔をしていました。

姑と嫁の微妙な関係をドラマ的に描いているのだろうと感じていましたが、その問題が最終的には解決されて、少し安心しました。はるさんに悪意はないことは理解していますが、同じことを何度も言われるとさすがに疲れますよね。反面、花江ちゃんにも事前に味付けの工夫をしてみてはどうかと思うこともあります。

この小さな出来事が積もり積もって不満となって表れる様子を、視聴者に対して効果的に示していたように思います。

毎日自分の好みではない味の料理を作り続けるのは大変です。ストレスを感じずに暮らすためには、やはり別居が最善の策かもしれませんが、その時代にそれが現実的だったかどうかは定かではありません。しかし、森田望智さんが演じるキャラクターは本当に上手です。以前の恋する母の役でも、おかえりモネでの全く異なる役でも、その演技力には感心させられます。

寅ちゃんが花江さんを紹介する際に「兄の嫁」とだけ言うところ、「親友として紹介してあげないのか」と少し気になりました。花江さんも、その事実に傷ついていたようです。

はるさんも、花江さんの家事を直接褒めることは難しくとも、「毎日家のことを頑張ってくれていて、本当に助かるわ。ありがとう」と感謝の言葉を伝えればよかったのにと思います。

花江の料理についての今日の議論を聞いた直道は「たしかに甘めだね。それが丸亀の味だ」と話し、誰も傷つけないように上手く場を収めました。そして、花江に対して「この家を出ようか」と提案するタイミングを見計らったようです。直道はちょうどいいタイミングで帰宅し、母親も寅子の友人たちの前では何も言えずにいました。その後の1年間は省略され、寅子たちの卒業シーンに移行しました。その間に直道と花江は転居し、次に花江が登場するときには、彼女が妊娠しているかもしれません。来週は新たな展開が予想されます。女子部時代と異なり、明倫大学での学びはこの時代の女性には苦労が伴うでしょう。魔女部の5人には頑張ってほしいと思います。

その時代に、その母親に対して「花江と家を出る」と言えた直道の決断は立派でした。母親の立場を守りつつ、妻の苦しみに寄り添い、二人の幸せな道を選んだのです。もっと早く気付いてあげられたらとも思いますが、寅子は新しい世界で新たな友人を得て、花江の立場は変わってしまいました。男たちと同じように振る舞う寅子を見て、花江は寂しさを感じたのでしょう。「お義母さんはいつももう少し甘くしてって言うのよ」と寅子に愚痴っていたことでしょう。同じように同居している嫁としての切なさが伝わってきます。

花江さんが女中と間違われたこと、はるさんから料理を褒められなかったこと、1年以上も砂糖の適量を見つけられなかったこと、そして寅子に「兄の嫁」としてしか紹介されなかったことに、花江さんは大変心を痛めていたようです。本当は「親友の花江」として紹介されたかったのではないでしょうか。法律を学ぶ寅子とその友人たちを見て、寅子が遠く感じられ、自分とのギャップに涙がこぼれたのだと思います。その様子を、突然涙を流していた花江さんから察することができました。第1回の弱音吐き大会で、その感情が表れた瞬間でした。私にはそれが理解できます。はるさんは私が花江さんに取られることが悔しいのでしょう。それは自然な感情です。しかし、母さん、申し訳ないですが、私の一番は花江さんです。花江さんがこれほど苦しんでいるなら、家を出ることも考えています。母さん、それを止めないでください。私にとっては非常に大切なことですが、それは花江さんのためです。そう宣言してくれた直道さんは、本当に素晴らしいと思います。

繰り返される「もうちょっとお砂糖を」という義母のセリフは、今後のドラマの展開で重要な要素となるでしょう。これは伏線とは異なり、ドラマ「相棒」でよく用いられる手法です。このドラマの面白さの一例として、よねのセリフで生理痛に効くツボを教えてもらったトラコにそれを実践するシーンがあります。トラコの足を出す際に「失礼」と一言、これが他人行儀に聞こえるかもしれませんが、トラコとの健全な人間関係を築きたいという気持ちが感じられ、共感が始まっていることを示しています。このような細かい部分が、脚本の繊細さと大胆さを表しています。

当時の女性としては一般的な花江さんですが、義母に褒められたいという気持ちがあったのでしょうか。普段ははるさんから「もっと甘く」と言われても、絶対に最初から甘くはしないという強いメンタリティを持っていました。普段は寅子に冗談を言っていますが、寅子が自分にはない世界を持っていると感じて寂しかったのかもしれません。

甘めの味付けが家庭の裕福さを示していると感じながら見ていました。昔は砂糖が貴重だったため、それが普段から使える家庭は裕福だったわけです。頼りないと思われがちな実兄が花江さんの絶対的な味方であり、母親を傷つけずに別居を提案する場面では、寅子から見れば突然のことで驚いた表情をしていましたが、兄を見直す瞬間でした。

週のタイトル「女、三界に家無し」が花江さんの立場を深く表しているかもしれません。自分が一目惚れした相手とのお見合いを成功させるために、特に母親に気に入られようと努力しました。当時の価値観にマッチした勝ち組の結婚だったはずが、嫁に入っても日常の食事の味付け一つを取っても、嫁の立場はいつもアウェイです。広い世界で新しい友達と楽しそうにしているかつての親友を見て、女中に間違われたり、「兄貴の嫁」としか紹介されない自分の現状に戦い、戦わないことを選んでも、選ばなかった方の人生を思い、悔やんだり、羨んだりすることは今も昔も変わりません。

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