朝ドラ「あんぱん」『いい奴から死んでいく』ヤムおんちゃんが語る戦争の真実と蘭子の恋

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視聴率16%台を記録!朝ドラ「あんぱん」が210日ぶりの高視聴率に

NHK連続テレビ小説「あんぱん」の第25話が5月2日に放送され、平均世帯視聴率が16.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録しました。これは、第12話(4月15日)の15.9%を0.6ポイント上回り、番組最高を更新。「あんぱん」初の16%台をマークしたことになります。

朝ドラの世帯視聴率が16%台に乗るのは、前作「おむすび」第5話(昨年10月4日)の16.2%以来、実に210日(7カ月)ぶりのことです。数字面でも”朝ドラ復活”が視野に入ってきたと言えるでしょう。

「おむすび」は期間平均13.1%と朝ドラ歴代ワーストを更新し、初回の16.8%が番組最高で、第6話以降は16%台を記録することがありませんでした。対して「あんぱん」は初回(3月31日)の15.4%から1.1ポイント上昇と、好調に推移しています。

「あんぱん」は「ドクターX~外科医・大門未知子~」シリーズなどのヒット作を手掛けた中園ミホ氏がオリジナル脚本を担当する朝ドラ通算112作目。国民的アニメ「アンパンマン」を生み出した漫画家・やなせたかし氏と妻・暢さんをモデルに、激動の時代を生き抜いた夫婦の姿を描いています。

視聴者からは「前作『おむすび』が酷すぎて途中離脱した人も徐々に戻ってきた」「朝ドラらしく、純粋でますっ直ぐだけど、茶目っ気もある主人公」「今田さんのモーレツ軍国教育女学校と家庭愛、北村さんの特殊な家族関係と自由な校風。ダブルドラマが見事に成立している」など、好意的な声が多く寄せられています。

これから物語は戦争という暗い時代に突入していくことになりますが、視聴者の期待に応える内容になることが期待されています。「中園さんがどんなふうに戦争時代を描いてくれるのか」と今後の展開にも注目が集まっています。

朝ドラファンの方々からは「視聴率は数字、数字は数字。それでも、最高更新!なんて聞くと嬉しくなる」「210日ぶりというのは感慨深い。中園ミホさんの脚本と、各キャラクターに合ったキャスティング、皆さんの熱の入った演技の賜物」との声も。

「あんぱん」は、いよいよこれからが本番。戦争という厳しい時代を背景に、どのような物語が紡がれていくのか、楽しみですね。

ヤムおんちゃんの謎の過去と戦争体験が徐々に明らかに

「あんぱん」第28話で、物語の重要な脇役である”ヤムおんちゃん”こと屋村草吉(阿部サダヲ)の謎めいた過去がついに垣間見えはじめました。銀座のパン屋・美村屋に飾られていた古い写真に写っていたヤムさんの姿に、柳井嵩(北村匠海)が気づくという展開に視聴者も大きな反響を示しています。

ヤムおんちゃんは、出征が決まった原豪(細田佳央太)を釣りに誘い、「勇ましく戦おうなんて思うなよ。逃げて逃げて、逃げ回るんだ。戦争なんて、いい奴から死んでいくんだからな」と戦争の恐ろしさを伝えます。豪が「ヤムさんは、戦争に行ったことがあるがですか?」と尋ねると、直接答えはしないものの、「地獄に行くと思って、やりたいこと全部やってから行った方がいいぞ」と過去の経験を匂わせる返答をしています。

視聴者からは「ヤムさんは戦争経験者か」「仲間を亡くしている可能性ある」「戦争で何かつらい過去がありそう」など、ヤムさんの背景に思いを馳せるコメントが多く寄せられています。

ドラマの時代設定は1937年(昭和12年)。ヤムさんが若い頃に経験した可能性のある戦争として、日露戦争(1904-1905年)やシベリア出兵(1918-1922年)などの名前が視聴者の間でも挙がっています。

「妖精のようだったヤムさんも、美村屋の写真で生身の人間だったことが確認されたわけですが、『地獄の戦場を知っている』ことで、またよくわからなくなってきました」という感想も寄せられています。また、「ふだん蘭子が自分をみる眼差しでその気持ちを察していたが、蘭子に幸せな結婚をしてもらうように自分の気持ちを抑えていたんだな」と豪の心情を読み解く声も。

ヤムおんちゃんの存在は、単なる脇役ではなく、物語の重要な部分を担っていることが徐々に明らかになってきました。「この番組でヤムさんの存在は大きいですね。登場する人物に言葉や行動でさりげなく影響を与えているのがとても良いです」という感想に象徴されるように、彼の言動は時代の暗さを感じさせつつも、視聴者に安心感を与えています。

今後、ヤムおんちゃんの真の姿がどのように描かれていくのか、そして豪の運命はどうなるのか。朝ドラ「あんぱん」の展開から目が離せません。

両思いの蘭子と豪ちゃん、出征前の切ない想い

NHK連続テレビ小説「あんぱん」の第28話で、視聴者の間で密かに注目されていた蘭子(河合優実)と豪(細田佳央太)の関係について、互いに想い合っていることが明らかになりました。

豪がヤムおんちゃんとの釣りの途中で、「会っときたい女とか、いないのか?」と問われ、「毎日会ってます」と答えるシーンが放送されると、SNSでは「ああ〜やっぱり蘭子と豪ちゃんは両思いなのね」「切なすぎるでしょ」「何とか2人の思い通じないのかな」といった声が広がりました。

ヤムおんちゃんは「のぶじゃねえな。メイコはガキだし」と言いながらも、わざと蘭子の名前を出さないという場面も。豪が「それ、いつか当たりますき。やめてください」と制止すると、「あ、年上好み?羽多子さん?」「え、くらばあ?」と茶化す様子に、視聴者からは「わざと蘭子を外していくヤムの誘導尋問」「ヤムさん、蘭子と分かってて敢えて外してる(笑)」といった感想も寄せられています。

そんな中、蘭子は母・羽多子(江口のりこ)に両親のなれそめを尋ねるシーン。お見合い結婚だった亡き父・結太郎(加瀬亮)とのなれ初めを聞きながら、自分の気持ちに向き合おうとしている様子に「羽多子さんの蘭子を気遣う母心がとても心にしみた」「蘭子に自分に正直に生きてほしい気持ちもあるけど、残されてしまう悲しみと苦しみも痛いほどわかってるから背中を押すこともできない」といった共感の声も。

いよいよ豪の出征が迫る中、二人の気持ちは通じ合うのか。「豪は生きて帰ってきてほしいわ」「たとえ束の間であっても、思いが通じ合って欲しい!」と願う視聴者の声が多く寄せられています。

河合優実さん演じる蘭子の表現力にも注目が集まっており、「台詞(口数)は少ないのに、眼と表情で伝わりまくる蘭子の中の人素晴らしい」「調べたら、日本アカデミー賞の最優秀主演女優なんだ」と、その演技力を称える声も多数。

朝田家の三姉妹の中でも蘭子の物語が特に視聴者の心を揺さぶり、戦争という時代背景の中で描かれる恋の行方に、多くの人が胸を締め付けられる思いで見守っています。

戦時下の人々の葛藤を描き、視聴者の心を掴む朝ドラの魅力

NHK連続テレビ小説「あんぱん」は、昭和12年(1937年)という日中戦争が始まる時代を舞台に、戦争の影が忍び寄る中での人々の暮らしと葛藤を丁寧に描き出しています。視聴率16.5%を記録し、朝ドラの人気を復活させつつある本作の魅力は、まさにこの時代背景と人間ドラマの描き方にあると言えるでしょう。

「あんぱん」の舞台となる1937年は、まだ太平洋戦争は始まっていないものの、日中戦争へと突入していく緊張感が漂う時代。そんな中で出征が決まった原豪(細田佳央太)を通して、戦争に向かう若者の心情や残される家族の思いが繊細に描かれています。

ヤムおんちゃんが豪に語った「戦争なんて、いい奴から死んでいくんだからな」という言葉に、視聴者からは「良い人から早く死ぬって理不尽で悲しい」「戦争って沢山の方々に辛さや悲しさや愚かさを与えますね」と、現代の平和な日常からでも戦争の残酷さを感じさせる反応が寄せられています。

また、教授が軍人の命令に屈せず自分の信念を貫く場面や、羽多子が「離れていてもいつも此処におる」と語る場面など、戦時下でも自分らしさや愛を失わない人々の姿に感動する視聴者も多いようです。

今後の展開については「これから戦争パートになって辛い場面も多いが見応えもあると思う」「ヤムおじちゃんの願いですよね。生きて帰って来て欲しい」と期待と不安が入り混じった声が寄せられています。

この作品の魅力は、戦争という重いテーマを扱いながらも、登場人物たちの日常や感情の機微を丁寧に描き出していることにあります。「朝ドラらしく、純粋でますっ直ぐだけど、茶目っ気もある主人公」「戦争を変に描かなければ20%いくのでは」との声にあるように、朝ドラならではの温かみを持ちながら、時代の暗部にも正面から向き合う姿勢が視聴者の共感を呼んでいるのでしょう。

国民的アニメ「アンパンマン」を生み出した漫画家・やなせたかし氏と妻・暢さんをモデルにした本作が、戦争を経て”逆転しない正義”の価値観を育んでいく過程を、今後どのように描いていくのか。視聴率の上昇に表れているように、多くの視聴者が朝の時間に「あんぱん」の世界に引き込まれています。

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