2025年9月29日から放送がスタートしたNHK連続テレビ小説「ばけばけ」は、幕末から明治という激動の時代を舞台に、怪談を愛した夫婦の物語を描いています。この朝ドラの重要なロケ地として注目を集めているのが、島根県松江市に鎮座する八重垣神社です。八重垣神社へはJR松江駅から松江市営バス63番線に乗車し、約20分で到着することができます。バス停「八重垣神社前」から神社までは徒歩わずか1分というアクセスの良さも魅力です。この神社は、ヤマタノオロチ神話で知られる素盞嗚尊(スサノオノミコト)と櫛稲田姫命(クシナダヒメノミコト)を主祭神とする縁結びの名所であり、境内奥にある「鏡の池」での縁占いは全国的に有名です。ドラマの主人公のモデルである小泉セツも、若き日にこの神社で縁占いを行い「遠方の人との良縁がある」という結果を得たと伝えられており、後にギリシャ生まれのラフカディオ・ハーン(小泉八雲)との運命的な出会いを果たしました。本記事では、朝ドラファン必見の八重垣神社への詳しいアクセス方法から、神社の見どころ、ドラマとの関連性まで、徹底的に解説していきます。

朝ドラ「ばけばけ」の物語と魅力
NHK連続テレビ小説「ばけばけ」は、2025年(令和7年)度後期の作品として、第113作目にあたるテレビドラマです。全125回の予定で、毎週月曜日から金曜日まで放送されています。タイトルの「ばけばけ」には「化ける」という意味が込められており、幕末から明治という暮らしや価値観が急速に変わっていく時代に取り残された人々の思いが、やがてすばらしいものへと「化けて」いく物語として描かれています。
物語の中心となるのは、外国人の夫と共に「怪談」を愛し、西洋化が進む明治の日本で埋もれてきた「名もなき人々」に光をあて、代弁者として語り紡いだ夫婦の姿です。明治時代の松江を舞台に、主人公・松野トキは上級士族の家系に生まれながらも、武士の時代が終わったことで父の事業が失敗し、貧しい暮らしを強いられることになりました。世の中が大きく変わる中で居場所を失いつつあったトキのもとに、松江にやってきた外国人英語教師の家での住み込み女中という仕事の話が舞い込んできます。この出会いこそが、トキの人生を大きく変えていくきっかけとなったのです。
ヒロインの松野トキ役には、2892人という大規模なオーディションの中から選ばれた髙石あかりさんが抜擢されました。髙石さんは撮影にあたって実際に松江を訪れ、八重垣神社でもロケを行っています。ヒロインの夫・ヘブン役は、英国出身の俳優トミー・バストウが務めており、外国人でありながら日本の文化や怪談に深い愛情を持つ人物を見事に演じています。主題歌には夫婦デュオ「ハンバート ハンバート」の「笑ったり転んだり」が起用されており、夫婦の絆を描くドラマにふさわしい温かみのある楽曲となっています。
主人公のモデル・小泉セツと小泉八雲
「ばけばけ」のヒロインである松野トキのモデルは、実在の人物・小泉セツです。小泉セツは松江藩家臣の小泉家の次女として生まれ、没落した家を支えるためにわずか11歳から織子として働き始めたという苦労人でした。1886年に結婚するものの、わずか1年で夫は出奔してしまいます。その後、松江に英語教師として赴任してきたラフカディオ・ハーンのもとで住み込みで働くようになり、当時としては大変珍しかった国際結婚を果たしました。
セツは再話文学の語り手として、ハーンの著作に大きく寄与しました。日本に古くから伝わる怪談や民話をハーンに語って聞かせたのがセツだったのです。彼女の語りがなければ、「耳なし芳一」や「雪女」といった名作怪談は世界に知られることはなかったかもしれません。特筆すべきは、小泉セツ自身も若き日に八重垣神社の鏡の池で縁占いを行い、「遠方の人との良縁がある」という結果が出たというエピソードです。後にギリシャ生まれのアイルランド人・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)と縁がつながったことは、まさに運命的な縁結びと言えるでしょう。
ドラマでトキの夫となる「ヘブン」のモデルである小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)は、「耳なし芳一」「雪女」などの怪談文学で世界的に知られる作家です。1850年6月27日にギリシャのレフカダ島でイギリス人の父とギリシャ人の母のもとに生まれたハーンは、幼少期に両親が離婚し大叔母に引き取られました。16歳の時には事故で左目を失明するという困難も経験し、19歳で移民船に乗り渡米して新聞社に就職しジャーナリストとなりました。
1890年に来日し、40歳で松江の英語教師となったハーンは、ここで住み込み女中だったセツと出会い結婚します。1896年には日本国籍を取得して「小泉八雲」に改名し、1904年に54歳で東京にて亡くなりました。日本時代の主な作品には「知られぬ日本の面影(1894年)」「骨董(1902年)」「怪談(1904年)」などがあります。特に『怪談』は、妻のセツから聞いた日本各地に伝わる伝説や幽霊話を再話し、独自の解釈を加えて情緒豊かな文学作品としてよみがえらせたもので、「耳なし芳一」「雪女」をはじめ20話が収録されており、日本の怪談を世界に紹介した記念碑的作品となっています。
八重垣神社の歴史と由緒
八重垣神社は、島根県松江市佐草町227に鎮座する由緒ある神社です。素盞嗚尊(スサノオノミコト)と櫛稲田姫命(クシナダヒメノミコト)を主祭神とし、古くから縁結びの神様として信仰を集めてきました。神社の名前の由来は、日本最古の和歌に関係しています。スサノオノミコトがヤマタノオロチを退治した後、クシナダヒメと結ばれた際に詠んだとされる歌「八雲立つ 出雲八重垣 妻込めに 八重垣造る その八重垣を」から取られており、この和歌は日本で最初に詠まれた和歌とも言われているため、「和歌発祥の地」として知られる由縁となっています。
1878年(明治11年)に現在の「八重垣神社」という名称に改称されました。ヤマタノオロチ退治で名高いスサノヲノミコトと、国の乙女の花と歌われた櫛名田比売命(クシナダヒメ)の夫婦が祭神であることから、恋愛成就の大神として知られるパワースポットとなっています。
ヤマタノオロチ神話と八重垣神社の関係
八重垣神社を深く理解するためには、ヤマタノオロチ神話を知ることが欠かせません。出雲の地で、スサノオは泣いている老夫婦とその娘・クシナダヒメに出会います。毎年恐ろしい怪物が現れては娘を食べてしまい、8人姉妹で最後に残ったクシナダヒメが食べられる番になってしまったというのです。その怪物がヤマタノオロチで、8つの頭と8つの尾を持ち、体は8つの山と8つの谷にわたるほど巨大な蛇でした。
クシナダヒメとの結婚を条件にヤマタノオロチを退治することにしたスサノオは、強い酒を造らせて8つの甕(かめ)に注がせました。やって来たオロチが8つの頭でその酒を飲み、酔っ払って寝てしまうと、腰につけていた剣でズタズタに切り殺しました。尾を切り裂いた時にそこから立派な剣が現れ、これが後に天皇家に伝えられ「三種の神器」の一つとして知られる「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」となったのです。
スサノオは、まず佐草にある「佐久佐女の森(さくさめ)」の大杉を中心に八重垣を造って、稲田姫命の身を隠しました。この「八重垣」とは、クシナダヒメをお守りした八つの垣根のことです。現在の八重垣神社の境内奥にある「佐久佐女の森」は、まさにこの神話の舞台となった場所なのです。
八重垣神社の見どころ
八重垣神社には、参拝者を魅了する様々な見どころがあります。まず、本殿と拝殿は素盞嗚尊と稲田姫命の夫婦の神様をお祀りする歴史ある社殿で、縁結びの御利益で知られ多くの参拝者が訪れています。
夫婦椿(連理玉椿)も見逃せない見どころの一つです。八重垣神社の主祭神・稲田姫命がかつてこの地に2本の椿を立てたところ、それが地中で芽吹き一体となって育ったという伝説があります。そのため「連理玉椿(れんりのたまつばき)」とも呼ばれ、夫婦円満や縁結びの象徴とされています。境内には3本の夫婦椿があり、それぞれ鳥居前の「連理玉椿」、鏡の池付近の「子宝椿」、拝殿左側の「乙女椿」と呼ばれています。
そして最大の見どころが、社殿後方に鎮座する「奥の院」と「鏡の池」です。この神池で行われる良縁占いは、八重垣神社を訪れる多くの参拝者の目当てとなっています。
鏡の池の縁占いの方法と意味
八重垣神社の「鏡の池」での縁結び占いは、全国的にも有名な縁占いです。この占いの方法を詳しく説明します。
まず、拝殿北側の神札授与所にて鏡の池占い用紙(100円)を受け取ります。用紙は上から順に取るのがルールで、手にしたものがあなたにご縁のある占い用紙となります。次に、神話の舞台となった佐久佐女の森を進み鏡の池へ向かいます。緑豊かな樹木に囲まれた道を歩くこと約5分で、鏡の池へ到着します。神秘的な雰囲気に包まれた池は、訪れる人々を別世界へと誘います。
池の奥に鎮座するのは、稲田姫命を祀る天鏡神社です。こちらに参拝したら、いよいよ占いのスタートです。池に占い用紙を浮かべたら、十円または百円硬貨をそっとのせて祈ります。すると、おみくじの言葉が浮き出てきますので、しっかりと心に留めてください。
占い結果の見方は次のようになっています。用紙が15分以内に沈めば良縁が早く訪れ、30分以上沈まない場合は縁遠いとされています。また、近くで沈むと身近な人、遠くで沈むと遠方の人とご縁があるといわれています。面白い言い伝えとして、イモリが用紙の上を通過したり引っ張っていくと縁起がいいとされており、イモリは暖かい時期に出てきやすいため春から秋にかけての参拝がおすすめです。
この占いは「恋愛、結婚等の縁に限らず色々な縁や願い事、また代理でその方を思いながらの占い」もできるとのことです。恋愛だけでなく、仕事や人間関係の縁を占うこともできるのは嬉しいポイントです。
鏡の池の由来と歴史
鏡の池には、深い歴史と神話的な由来があります。稲田姫命がヤマタノオロチの難を避けるため八重垣にお隠れになった時に、飲料水としまた御姿をお写しになられた池と伝えられています。そのため「姿見の池」とも呼ばれ、古来より神聖な場所として崇められてきました。池の水は澄んでいて、木々の間から差し込む光が幻想的な雰囲気を醸し出しています。神話の時代から変わらぬ姿で、訪れる人々を見守り続けてきた場所なのです。
八重垣神社の御利益
八重垣神社の御利益は多岐にわたります。主な御利益として、山・農耕の守護神としての役割や夫婦和合があります。昔より安産・授児子宝および下半身の病に霊験あらたかとされてきました。縁結びの神様が祀られているほか、境内に子宝神社もあり、妊活で悩まれている方にも人気があります。もちろん、最も有名なのは縁結びの御利益です。スサノオとクシナダヒメという神話上の夫婦神を祀っていることから、良縁を願う参拝者が後を絶ちません。
朝ドラ「ばけばけ」と八重垣神社の撮影
朝ドラ「ばけばけ」の第5回などで、八重垣神社は重要なロケ地として登場します。ドラマの中で、トキはおチヨとおせんを誘って縁結びで有名な八重垣神社を訪れ、境内にある鏡の池で「一厘銭を乗せた紙の舟」を浮かべる恋占いを行うシーンが撮影されました。このシーンは、実際に八重垣神社(島根県松江市佐草町227)の鏡の池で撮影が行われています。
撮影は2024年5月21日から22日にかけて行われました。ヒロイン役の髙石あかりさんがドラマの成功を祈って実際に八重垣神社を訪れ、鏡の池の恋占いのシーンなどが撮影されました。明治時代にヤマタノオロチ神話を読んでこの地を訪れたラフカディオ・ハーン(小泉八雲)も、八重垣神社で多くの若者たちが縁結びを願っている様子を書き記しています。ドラマのモデルとなった小泉八雲自身も、この神社を訪れていたのです。
八重垣神社への詳しいアクセス方法
八重垣神社への行き方を詳しく解説します。
電車とバスで行く場合は最もポピュラーな方法です。JR松江駅の4番乗り場から松江市営バスの「八重垣神社」行きに乗車します。バスの路線番号は「63番」で、「八重垣神社前」バス停で下車します。所要時間は約20分、運賃は250円です。乗り換えなしで行けるため、公共交通機関での移動に慣れていない方でも安心です。バス停から神社までは徒歩約1分と、非常にアクセスしやすい立地となっています。
バスの時刻は1時間に1本程度の運行となっています。主な時刻として、9時35分発、10時45分発、11時45分発、12時45分発、13時45分発などがあり、所要時間は約20分です。最新のダイヤは松江市交通局の公式サイトで確認することをおすすめします。松江市交通局では2025年5月31日改正データが最新となっており、隠岐汽船接続バスのダイヤ改正も反映されています。八重垣線は松江市交通局の第8路線として運行されています。
車・タクシーで行く場合は、JR松江駅から車で約15分、距離にして約4.5キロメートルです。山陰道(松江道)松江中央ICからは約6分でアクセスできます。タクシーを利用する場合も、松江駅から約15分程度で到着します。
玉造温泉から行く場合は、路線バスで向かう場合はいったん松江駅へ行き、松江駅から八重垣神社行きのバスに乗車するのが一般的です。比較的本数もあるので、松江駅での乗り継ぎ時間を含め1時間から1時間15分程度です。タクシーなら16分から17分、2,000円から2,500円くらいです。
参拝のポイントとおすすめの時間帯
八重垣神社を訪れる際のポイントをお伝えします。午前中に行くとそれほど混んでいませんが、午後は混雑するようです。特に鏡の池の縁占いは人気があるため、順番待ちになることもあります。ゆっくりと占いを楽しみたい方は、午前中の参拝がおすすめです。
また、朝ドラ「ばけばけ」の放送開始により、ロケ地巡りの観光客が増えることが予想されます。混雑を避けたい場合は、平日の午前中を狙うのがよいでしょう。鏡の池の占いでイモリに出会いたい方は、暖かい時期の参拝がおすすめです。春から秋にかけて、特に暖かい日はイモリが活発に動いているそうです。
八重垣神社の基本情報
八重垣神社の基本情報をまとめます。神社名は八重垣神社(やえがきじんじゃ)で、住所は島根県松江市佐草町227です。電話番号は0852-21-1148で、参拝時間は境内自由となっていますが社務所は9時頃から17時頃までの営業です。定休日はなく、駐車場は無料で利用できます。拝観料も無料ですが、鏡の池占い用紙は100円となっています。
松江のその他の「ばけばけ」ロケ地
「ばけばけ」は松江のシーンが全体の約7割を占めています。八重垣神社以外にも、松江市内には数多くのロケ地があります。
小泉八雲旧居は、番組ポスターのご当地ビジュアルが撮影された場所です。小泉八雲が実際に暮らしていた住居で、現在は記念館として公開されています。住所は島根県松江市北堀町315です。宍道湖の袖師地蔵・石灰地蔵付近も番組ポスターの撮影場所となりました。夕日の宍道湖は「日本の夕日百選」にも選ばれており、ドラマのオープニング映像にも登場する美しい風景です。
松江城と宇賀橋はオープニング映像に登場します。2人が赤い和傘を差し仲睦まじい姿で渡る木製の橋は、国宝「松江城」の内堀に架かる「宇賀橋」です。松江城は国内に現存する12天守のうちのひとつであり、国宝に指定されています。月照寺はオープニング映像の撮影場所となった旧松江藩主松平家の菩提寺です。2人が散策している灯籠の並ぶ場所や大亀像があるのがこの寺院で、境内にある巨大な亀の石像は長寿祈願のご利益があるとして有名です。
城山稲荷神社は小泉八雲とセツゆかりの地で、2024年5月23日にはこの神社で松江ロケ報告会が行われました。大雄寺は小泉八雲がこの寺に伝わる怪談「水飴を買う女」を「母の愛は死よりも強し」と紹介した寺院で、住所は島根県松江市中原町234です。
松江・出雲観光モデルコース
八重垣神社を含めた松江・出雲エリアの観光モデルコースをご紹介します。
1日目は出雲大社エリアからスタートするのがおすすめです。出雲大社を参拝した後、ご縁横丁で散策を楽しみます。かねやなどでランチを楽しんだ後、稲佐の浜、日御碕神社、出雲日御碕灯台を巡ります。夕食後は玉造温泉などで宿泊するのが定番のコースです。
2日目は松江エリアを巡ります。松江城を見学し、八重垣神社へ向かいます。鏡の池で縁占いを楽しんだ後、出雲日本海などでランチを取ります。午後は島根県立古代出雲歴史博物館で出雲の歴史を学ぶのもよいでしょう。
松江市内を中心に旅するなら、JR松江駅を起点に松江城や主要観光地をめぐる観光周遊バス「ぐるっと松江レイクラインバス」が移動に最適です。ロケ地となった「小泉八雲記念館」や宍道湖、松江城から「カラコロ工房」までは歩いて10分程度で、レイクラインバスも通っているため名所を効率よく巡ることができます。
車なしでも楽しめるコースとして、出雲縁結び空港から出発して出雲大社や稲佐の浜、日御碕神社と観光し、その日は玉造温泉に宿泊、翌日は八重垣神社や足立美術館、松江城と巡るコースもおすすめです。
八重垣神社周辺の観光スポット
八重垣神社を訪れた際には、周辺の観光スポットも合わせて巡ることをおすすめします。
須我神社はスサノオノミコトがヤマタノオロチを退治した後、クシナダヒメと結ばれて建立したとされる神社です。スサノオ、クシナダヒメとその御子神が祀られており、「日本初之宮」といわれています。この宮を包むようにして美しい雲が立ちのぼるのを見て、スサノオが「八雲立つ 出雲八重垣妻ごみに 八重垣つくる その八重垣を」と歌を詠んだことから、須我神社周辺は「和歌発祥の地」ともいわれています。
神魂神社(かもすじんじゃ)は八重垣神社から車で約10分の場所にある古社です。本殿は現存する大社造りの社殿のうち最古のもので、国宝に指定されています。熊野大社は出雲国一之宮として知られる格式高い神社で、素盞嗚尊を主祭神とし縁結びや厄除けの御利益で信仰を集めています。
「ばけばけ」ゆかりの地を巡る旅
朝ドラ「ばけばけ」のファンなら、松江以外のロケ地も巡ってみてはいかがでしょうか。
滋賀県大津市の比叡山にある「安楽律院」は、怪談「松風」の舞台となった「清光院」のシーンの撮影場所です。同じく大津市の「日吉大社」内にある「走井橋(はしりいばし)」付近でも撮影が行われました。琵琶湖の夕暮原(滋賀県高島市)は、家出した司之介が生活していた木が生えた水辺のシーンの撮影地です。
京都では、妙心寺の東海庵で人力車のシーンが撮影されました。また、太秦映画村(松竹京都撮影所)でもロケが行われています。
八重垣神社参拝の心得
神社を参拝する際の基本的な作法を確認しておきましょう。まず、鳥居をくぐる前に一礼します。参道の中央は神様の通り道とされていますので、端を歩くようにしましょう。手水舎では、左手、右手の順に清め、左手に水を受けて口をすすぎ、最後にもう一度左手を清めます。
拝殿での参拝は二礼二拍手一礼が基本です。お賽銭を入れ、鈴を鳴らしてから、二回深くお辞儀をし、二回手を打ち、最後にもう一度深くお辞儀をします。鏡の池で縁占いをする際も、まずは天鏡神社に参拝してから占いを始めるのがマナーです。
八重垣神社のお守り・御朱印・授与品
八重垣神社を訪れたら、ぜひお守りや御朱印をいただきましょう。縁結びの神社ならではの素敵な授与品が揃っています。
授与品の主な料金は、御朱印が300円、縁結び御守が500円、美のお守りが800円、縁むすび糸守が500円となっています。お守りや御朱印の授与は16時30分までとなっていますので、時間に余裕を持って訪れることをおすすめします。
お守りは様々な種類があり、色も好みに合わせて選べるのが好評です。「縁結びの糸」は出雲大社だけでなく八重垣神社にも用意されており、縁結びを願う方に人気です。「夫婦椿」をモチーフとしたお守りは夫婦円満や恋愛成就を願う方におすすめです。「美のお守り」は美容調整の御祈願がされた特別なお守りで、女性参拝者から特に人気があります。「小さな貝のお守り」も人気商品の一つで可愛らしいデザインが好評です。ミニ勾玉お守りも授与されており、出雲地方ならではの授与品として喜ばれています。
御朱印は中央に「八重垣神社」という朱印が入った、シンプルながら格式を感じるデザインとなっています。御朱印と一緒に御神徳略記がいただけるのも嬉しいポイントです。また、「出雲国神仏霊場巡り」の14番霊場としての御朱印もあり、こちらは縁結びの神社らしく「結」の文字が入っています。
近年は縁結びの神社として人気が高まっており、混雑時は番号札をもらえます。本殿を参拝したら、境内散策の前に御朱印授与所に行っておくのがスムーズです。遠方にお住まいで直接訪れることが難しい方は、神社に直接電話すればお守りを郵送してもらうことも可能です。
松江・出雲のグルメ情報
八重垣神社を訪れる際には、松江・出雲エリアの美味しいグルメも楽しみましょう。島根ならではの郷土料理は、旅の思い出をより一層豊かにしてくれます。
出雲そばは出雲地方を代表するそばで、岩手県の「わんこそば」、長野県の「戸隠そば」と並び日本三大そばの一つに数えられています。江戸時代初期に松江藩・松平家初代藩主松平直政公が信州松本藩から移ってきた際にそば職人を連れてきたことから、出雲地方にそばが広まったといわれています。出雲そばは玄そばの挽きぐるみのそば粉を使うため色が黒っぽく香り高いのが特長で、こしも強く風味が際立ちます。
出雲そばには「割子」と「釜揚げ」があり、独特な食べ方をするのが特徴です。「割子そば」は円柱状の丸い重箱「割子」に入ったそばで、冷たいつゆをかけて食べます。通常は三段重ねで提供され、一段ずつつゆをかけていただきます。「釜揚げそば」も出雲独特のそばで、茹でたそばとそば湯を一緒に器に入れ、のり、ネギ、かつお節などの薬味をのせ、好みでつゆをかけて熱々のそばをいただきます。
しじみ料理も松江・出雲の名物です。松江と出雲に面した宍道湖(しんじこ)は日本でも有数のしじみの産地で、海水と淡水が入り混じった汽水湖で立派なヤマトシジミが獲れます。しじみを入れたお味噌汁は出雲地方の定番で、旅館やホテルの朝ごはんや和食ランチによく出てきます。宍道湖名物のしじみを使った「しじみの漁師蒸し」は絶品で、ぷりっとしたしじみの旨みがじんわりと染み出る味わいは島根ならではの贅沢です。
しじみは宍道湖で獲れる代表的な魚介類「宍道湖七珍」のひとつです。他の6つはスズキ、シラウオ、コイ、うなぎ、モロゲエビ、アマサギで、これらを使った料理も松江・出雲の郷土料理として親しまれています。
季節ごとの八重垣神社の魅力
八重垣神社は一年を通じて参拝できますが、季節によって異なる魅力があります。
春(3月から5月)は境内の椿が美しく咲き誇ります。夫婦椿(連理玉椿)も見頃を迎え、縁結びのご利益を求める参拝者で賑わいます。気候も穏やかで佐久佐女の森の散策にも最適な季節です。鏡の池周辺の木々も芽吹き始め、新緑の中での縁占いは格別です。
夏(6月から8月)は緑が濃くなり、佐久佐女の森は涼しげな雰囲気に包まれます。鏡の池でのイモリとの遭遇率も高くなる季節です。暑い日でも森の中は比較的涼しく過ごせます。ただし混雑することもあるため、早朝の参拝がおすすめです。
秋(9月から11月)は紅葉が美しい季節です。朝ドラ「ばけばけ」の放送開始時期と重なるため、ロケ地巡りの観光客で特に賑わうことが予想されます。松江市内の他の観光地も紅葉が楽しめるため、周遊するのに最適な季節といえます。
冬(12月から2月)は参拝者が比較的少なく、静かに参拝できる季節です。凛とした空気の中での参拝はまた違った趣があります。ただし山陰地方は雪が降ることもあるため、アクセスには注意が必要です。
まとめ
朝ドラ「ばけばけ」の重要なロケ地である八重垣神社は、日本神話ゆかりの縁結びパワースポットとして、古くから多くの人々に愛されてきました。ドラマの主人公のモデルである小泉セツも若き日にこの神社で縁占いを行い、後に小泉八雲との運命的な出会いを果たしています。JR松江駅からバスで約20分というアクセスのしやすさも魅力です。鏡の池での縁占い、夫婦椿、そして神話の舞台となった佐久佐女の森など、見どころも満載です。
朝ドラ「ばけばけ」の放送を機に、ぜひ八重垣神社を訪れてみてはいかがでしょうか。ドラマの世界観に浸りながら、縁結びの御利益を授かる旅は、きっと思い出深いものになることでしょう。松江には八重垣神社以外にも、小泉八雲旧居、松江城、月照寺など、ドラマゆかりの地が点在しています。1泊2日あれば、出雲大社と合わせて島根の魅力を存分に味わうことができます。明治の文豪・小泉八雲が愛した松江の地で、あなたも素敵なご縁に巡り合えることを願っています。










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