朝ドラ受けでも話題!メイコののど自慢挑戦と嵩の新たな発見

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戦後を生きるメイコの歌声への憧れ

ラジオから流れてくる「リンゴの唄」の調べに、メイコは静かに耳を傾けていました。畑仕事から帰った彼女の瞳が、久しぶりにキラキラと輝いているのを見て、くらばあは優しく微笑みます。「のど自慢じゃ。うまい人も、ヘタな人もおる」という言葉に、メイコは何かを感じ取ったようでした。

戦争が終わって一年余り。長い間、歌を歌うことさえ憚られる時代が続いていましたが、今ようやく人々の心に音楽が戻ってきたのです。メイコが以前、浜辺で「椰子の実」を歌った時の美しい声を思い出すたび、家族はあの子にはきっと何か特別なものがあるのだと感じていました。

「東京に行きたい」というメイコの突然の言葉に、家族は驚きを隠せませんでした。しかし、あさイチの朝ドラ受けでも語られていたように、メイコの歌への想いは確実に育まれていたのです。戦時中に青春を奪われた世代の彼女にとって、歌は失われた時間を取り戻す希望の光だったのかもしれません。

のど自慢への出場は、単なる思い出作りではないでしょう。メイコの中で静かに燃え続けていた歌への情熱が、ついに表に現れたのです。くらばあの「あの子は昔の私や」という言葉が示すように、音楽への憧れは世代を超えて受け継がれるものなのです。朝田家の末っ子として、いつも家族を支えてきたメイコが、今度は自分自身の夢に向かって歩き始める時が来たのでした。

原菜乃華さんの演じるメイコの表情からは、戦後復興期を生きる若い女性の希望と決意が溢れています。椰子の実を歌った14歳の少女が、23歳の女性として新たな人生の扉を開こうとしているのです。その歌声が多くの人の心を癒し、励ましとなることを願わずにはいられません。

コン太の帰還と変わらぬ食いしん坊ぶり

嵩と健ちゃんが営む雑貨店に、ひょっこりと現れた懐かしい顔。それは小倉連隊時代の戦友、コン太でした。櫻井健人さんが演じるこのキャラクターの再登場に、視聴者からは「良かった、生きてた」という安堵の声が数多く寄せられました。

コン太の第一声は、相変わらず食べ物への執着を示すものでした。「くそ!チョコもらえんかった」と嘆き、「誰よりもデカい声でギブミーチョコレートと言うたのに」と悔しがる姿は、まさに昔のままの食いしん坊ぶりです。健ちゃんが「子どもに交じって叫びよったと?」と驚くと、コン太は「大人やち、チョコレート食べたいやろ」と悪びれる様子もありません。

小学校時代に嵩の弁当を狙っていた頃から、軍隊での駐屯地の市場で現地のおばちゃんの料理に目を輝かせていた時まで、コン太の食への情熱は一貫していました。戦争という過酷な体験を経ても、その純粋な食いしん坊キャラクターは変わることがなかったのです。

ネット上では「子供に混じってギブミーチョコレート‥‥コン太、一生食いしん坊キャラかw」「相変わらずだな……コン太よ」といった愛情あふれるコメントが溢れていました。戦地から無事に帰還できただけでなく、コン太らしさを失わずにいることが、多くの人にとって心の支えとなっているのです。

嵩たちの商売に加わったコン太の存在は、戦友としての絆の深さを物語っています。辛い戦争体験を共有した仲間同士が、戦後の混乱期を支え合いながら生きていく姿は、まさに希望そのものです。コン太が美味しいものをお腹いっぱい食べることができる平和な日々が、一日も早く訪れることを願わずにはいられません。この憎めないキャラクターの存在が、物語に温かみと安らぎをもたらしてくれるのです。

のぶが挑む夕刊創刊への想い

高知新報の夕刊発行申請が通り、のぶは編集長を任された東海林明と先輩記者の岩清水信司とともに、新たな挑戦の扉を開くことになりました。津田健次郎さんが演じる東海林編集長の「否定されるがを恐れるな。記者の鉄則や」という言葉は、のぶの心に深く響いたことでしょう。

編集局内で浮いていた三人が、東海林の提案で空き部屋に引っ越すところから、夕刊作りは始まりました。物置のような部屋の片付けから始まった地道な作業でしたが、東海林が構想を練ろうと提案した時、のぶの目は生き生きと輝いていました。国民学校の教師時代には見られなかった明るさが、ついに戻ってきたのです。

「今を生きる人々の嘘偽りのない生の声、声にならない声を拾っていこう」という東海林の編集方針は、まさに戦後ジャーナリズムの理想を体現するものでした。戦時中、新聞は戦争を美化し推奨する記事を書き続けてきました。東海林自身も「自分にほとほと愛想が尽きた」と語るように、そうした過去への反省から生まれた新しい報道姿勢だったのです。

のぶもまた、教師として子供たちに間違ったことを教えてきた過去を背負っています。次郎さんの遺言である「戦争が終わったら何がしたい?」という問いかけを胸に、今度こそ本当の意味で人々のためになる仕事をしたいという強い想いを抱いているのです。夕刊作りは、のぶにとって過去の失敗を償い、新しい自分を見つける大切な機会となるでしょう。

「さぁ、取材や!」という東海林の掛け声に「ハイ!」と力強く応えるのぶの姿から、記者としての情熱と使命感がひしひしと伝わってきます。戦後復興期の激動の中で、真実を伝える夕刊がどのような役割を果たしていくのか、その歩みに大きな期待が寄せられているのです。

嵩たちの廃品回収から始まる新たな商い

市場の一角で、嵩と健ちゃんが始めた廃品回収による雑貨店は、戦後復興期の現実を如実に映し出していました。進駐軍から出される不用品を集めて売るという商売は、当時の日本人にとって生き抜くための知恵でもあったのです。北村匠海さんが演じる嵩の表情からは、デザインを学んだ青年が現実と向き合う複雑な心境が伝わってきます。

「しけた顔をしたらいかんばい。そんな顔してたら、客が寄りつかんばい」という健ちゃんの言葉は、商売の厳しさを物語っていました。廃品回収という仕事は決して楽なものではありませんが、二人にとっては戦後を生き抜くための大切な糧となっていたのです。高橋文哉さんが演じる健ちゃんの前向きさが、嵩を支えている様子がよく分かります。

そんな中、嵩がガラクタの中から見つけたアメリカの雑誌「HOPE」に心を奪われる場面は印象的でした。久しぶりに心が躍るという表現の通り、彼の中でくすぶっていた創作への情熱が再び燃え上がったのです。「アメリカさんはこれがゴミなんだ…日本は負けるはずだ…」という嵩の言葉には、敗戦国としての現実を受け入れざるを得ない苦々しさが込められていました。

廃品回収の仕事にコン太も加わったことで、小倉連隊の戦友たちの絆がより深まりました。誰よりも大きな声で「ギブミーチョコレート」と叫んでもチョコレートがもらえなかったコン太の話は、戦後の混乱期における庶民の等身大の姿を描いています。大人だってチョコレートが食べたいという彼の素直な気持ちには、思わず微笑まずにはいられません。

この廃品回収から始まった商いが、やがて嵩の人生にどのような変化をもたらすのでしょうか。アメリカンコミックとの出会いが、後のアンパンマン誕生への道筋となることを考えると、この小さな雑貨店での日々は非常に意味深いものとなるのです。戦後復興期の厳しい現実の中で、希望の種を見つけていく嵩たちの姿に、多くの人が勇気をもらっているに違いありません。

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