朝ドラ「虎に翼」花岡(岩田剛典)と寅子(伊藤沙莉)はやっぱり?尾野真千子さんの心の声が心地よい

虎に翼

ハイキングで足を滑らせてしまった花岡(岩田剛典)はけがのため入院することに。花岡と言い争っていた寅子(伊藤沙莉)は責任を感じて見舞いに行くが、花岡とすれ違ってしまう。いっそ猪爪を訴えるという花岡に対し、轟(戸塚純貴)は花岡を非難する。大学に戻った花岡は梅子(平岩紙)に謝罪し、父や兄が優秀な弁護士であることへのプレッシャーを告白する。寅子も花岡と本心を語り合い、少し絆を深める2人だった。花岡は寅子に「君のことばかり考えてしまう」と告白する。

轟さんが花岡さんに対して平手打ちをしたことには驚きましたが、それだけ花岡さんのことを真剣に思っている証拠なのだと感じます。

また、「あの人たちはおとこだ」という言葉が、字幕で「漢」と表現されていたことから、単に性別を指す「男」以上の意味があるのだと理解しました。

花岡さんが自分のどの側面も嫌いで、偽者だと感じていると語るシーンで、梅子さんが「どれもあなた自身です」と返答し、真の自己に近づくよう努力することを勧める言葉には心が洗われる思いがします。

「む、無駄足〜!!」「寅子のバカ!」という尾野真千子さんの台詞は、今日はまるで『ちびまる子ちゃん』のようで、とても可愛らしかったです。

寅子さんと花岡さんの間の恋の噂、そしてお父さんの贈収賄の疑惑など、「はて?」と続く驚きの連続でした。

轟さんが「男の美徳と感じていたものは、男とは無縁のもの」と述べたセリフは、このドラマを象徴する名言であると感じます。

また、花岡さんが「どの自分も嫌いだ」と素直に語ることができる姿勢も、演じているだけの自分を含め、全てが花岡さん自身であると受け入れ、真の自己に近づこうとする努力を梅子さんが励ます様子は非常に美しいと思います。それを寅子さんと轟さんが柱の陰から見守る様子は、深い友情を感じさせます。

ドラマの終わり方が金曜日のようだと思っていたところで、最後には大どんでん返しがあり、次の展開が非常に楽しみです。

花岡さんが若くして母を失ったことを知り、それが同郷の可能性を感じさせます。その前に花岡さんが「女は甘やかすとつけ上がる」と述べたときは、正論とはいえ、大学で出会ったばかりの相手に対してあそこまで怒るのは少し厄介な性格かと感じましたが、そう怒るのも長い付き合いの友人だからこそ、と納得しました。

寅子さんはとても魅力的です。思ったことをはっきりと言うタイプの女性ですが、謝罪するのを躊躇ったり、自らが事件に巻き込まれたりする一方で、彼女の父親が逮捕されるなど、複雑な状況に直面しています。これは役所でよくある問題の先送りの可能性が高いですが、それが裁判官になるための過程での糧となるでしょう。

また、寅子が歌った「モン・パパ」は、元々フランス映画で使われ、宝塚歌劇団でも歌われたジャンソンの曲で、歌詞には「妻が上位で尻に敷かれっ

ぱなしの夫」というテーマが込められています。当時の女性の社会的地位を考えると、この歌が受け入れられた背景も理解できます。ドラマのモデルである三淵嘉子さんが大の宝塚ファンであり、後年の飲み会でよくこの曲を歌っていたというエピソードもあります。

父親が逮捕されるなどの事態だけでなく、設定が昭和10年であることから、この後の日中戦争の拡大、太平洋戦争の勃発、戦況の悪化、敗戦、戦後の混乱、憲法の制定といった歴史的背景が続くことになります。これにより、主人公だけでなく猪爪一家や明律の面々にも多大な苦難が降りかかることになるでしょう。ドラマの時間軸としては短いかもしれませんが、これまでの展開の速さを考えると、精神的にも辛いものがあるかもしれません。

花岡さんを入院させるほどの怪我をさせたにもかかわらず、誰も寅子さんを責めない点には少し不満があります。自宅謹慎など、何らかのペナルティがあっても良かったのではないでしょうか。これは寅子さんが恵まれた環境にいることを示唆する描写の一環かもしれませんが、全体的に寅子さんに対して甘い印象が残ります。今日の終わり方は、そんな些細な不満を吹き飛ばすほどの過酷な未来を予感させるものでした。

寅子さんの兄の直道が父親の怪しい行動を「女がいる」と解釈していましたが、これがまたいつもの間違いだったようです。時代背景として「家の主は外に女を一人くらい持っていても普通」という考えが散見されますが、視聴者をそう思わせておいてからのサプライズでした。

しかし、「光る君へ」のように実際には病気の女性の世話をしていたのではないかという期待もありましたが、警察が家まで来てしまうとそういうわけにはいかないでしょう。

梅子さんの言葉「どれもあなたよ。人が持っている顔は一つじゃないから。本当の自分があるなら、大切にしてね。年をとると本当の自分をどんどん忘れてしまうから」は、忘れないように努力する必要があると教えてくれます。

祖母は、帝大生が女性にモテるのはその見た目よりも、将来が保証されているためだと言います。官僚や政治家、企業の重役になる道が約束され、正妻としての地位を確保することが可能だからです。その一方で、帝大卒でも地位を確立できなければ、地方社会でも蔑まれることがあったと述べています。この作品では、男尊女卑が時に過剰に強調されているように見えるかもしれませんが、それもドラマの演出の一環でしょう。

立ち聞きが朝ドラの名物となっている中で、今回は轟と寅子のダブルでの立ち聞きが印象的でした。

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