「ばけばけ」清光院の撮影場所は安楽律院!松江とのアクセス比較

NHK連続テレビ小説「ばけばけ」に登場する「清光院」の撮影場所は、滋賀県大津市にある安楽律院です。ドラマでは怪談「松風」の舞台として描かれた清光院ですが、実在する島根県松江市の清光院とは別の場所で撮影が行われました。本記事では、実在する清光院と撮影ロケ地の安楽律院、それぞれへのアクセス方法を詳しくご紹介します。「ばけばけ」の聖地巡礼を計画されている方や、ドラマの世界観をより深く楽しみたい方にとって、両方の場所を訪れることで作品の魅力を多角的に体感できるでしょう。清光院にまつわる怪談の背景から、実際の撮影秘話、そして周辺の観光スポットまで、聖地巡礼に役立つ情報を網羅してお届けします。

目次

「ばけばけ」とは何か

NHK連続テレビ小説「ばけばけ」は、2025年度後期の朝ドラとして全125回の予定で放送されている作品です。2025年9月29日から放送がスタートし、明治時代に「怪談」を著した小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)と、その妻・小泉セツをモデルにした物語が多くの視聴者から支持を集めています。

タイトルの「ばけばけ」には、幕末から明治という暮らしや価値観が急速に変わっていく時代に取り残された人々の思いが、やがてすばらしいものに「化けて」いくという意味が込められています。外国人の夫と共に「怪談」を愛し、西洋化が進む明治の日本で埋もれてきた「名もなき人々」に光をあて、代弁者として語り紡いだ夫婦の物語として描かれています。脚本はふじきみつ彦氏、音楽は牛尾憲輔氏が担当し、主題歌はハンバート ハンバートの「笑ったり転んだり」となっています。

主人公の松野トキ役を演じるのは髙石あかりさんで、民話や昔話を聞くのが大好きな松野家の一人娘という設定です。レフカダ・ヘブン役にはトミー・バストウさん、松江随一の秀才で「大盤石」の異名を持つ錦織友一役には吉沢亮さんがキャスティングされています。また、松江でも随一の名家に生まれた雨清水タエ役には北川景子さん、トキのお見合い相手である山根銀二郎役には寛一郎さん、島根県知事の江藤役には佐野史郎さんが出演しています。

怪談「松風」と清光院の伝説について

「怪談のふるさと松江」と呼ばれる島根県松江市には、数多くの怪談が今も語り継がれています。その中でも、清光院にまつわる芸者「松風」の話は特に有名な伝説として知られています。この怪談は小泉八雲自身が紹介したものではありませんが、今もなお親から子へと語り継がれている悲しい恋の物語です。

松江の町に「松風」という名の芸者がいた時代の話です。松風には心に決めた恋人の相撲取りがいましたが、ある若侍が松風に横恋慕していました。ある日、横恋慕の若侍と出くわした松風は逃げ場を求め、清光院の石段を駆け上がりました。しかし、嫉妬に狂った侍は松風を追いかけ、清光院の石段を駆け上がる途中で彼女を斬りつけてしまいます。松風は力尽き、その場で命を落としました。

翌朝、松風の遺体は清光院に葬られましたが、血が染み込んだ位牌堂の階段は、いくら綺麗に磨いても、いくら削っても、血の跡が消えることがなかったと伝えられています。現在でもその当時の階段のまま残されているといい、位牌堂の前で謡曲の「松風」を謡うと、必ず松風の幽霊が現れるという噂が今も残っています。

この怪談が実話かどうかについては明確な情報は確認できていません。松江の人々のあいだで長く語り継がれてきた伝承であり、確実な史料に基づいた史実とは言えませんが、清光院に残る悲しい恋の伝説として人々の心に生き続けているのは確かです。そしてドラマ「ばけばけ」を通じて、この伝説は新たな形で多くの人々に知られることとなりました。

実在する清光院の基本情報と歴史

ドラマに登場する「清光院」は、島根県松江市に実在するお寺です。正式名称は寶珠山清光院(ほうじゅさん せいこういん)で、曹洞宗の寺院として約200年の歴史を持っています。本尊は釈迦牟尼仏で、所在地は島根県松江市外中原町194番地となっています。

清光院は単なる古刹としてだけでなく、松江の歴史において重要な役割を果たしてきました。明治12年(1879年)には島根県議会の会場としても使用されており、当時の松江においていかに格式高いお寺であったかがうかがえます。県議会の会場として選ばれたということは、建物の規模や格式、そして地域における信頼の厚さを示すものです。

また、怪談「松風」の舞台として人々に知られ、松江の怪談文化を今に伝える重要な場所でもあります。小泉八雲が松江に魅了された理由の一つに、この地に根付く豊かな怪談文化があったとされており、清光院はその象徴的な存在といえるでしょう。

実在する清光院へのアクセス方法

松江市にある実在の清光院へ訪れる方法は複数あります。

電車を利用する場合は、一畑電車「松江しんじ湖温泉駅」から徒歩約10分で到着します。一畑電車は松江市内と出雲大社を結ぶローカル線で、車窓から宍道湖の美しい景色を眺めながら移動できるのが魅力です。

バスを利用する場合は、バス停「清光院下」で下車すれば徒歩約1分と、非常にアクセスしやすい立地にあります。松江市内のバス路線は充実しており、松江駅からも簡単にアクセスできます。

車で訪れる場合は、松江市中心部から約5分の距離です。周辺には有料駐車場がありますので、事前に確認しておくとよいでしょう。

清光院を訪れる際には、いくつかの注意点があります。清光院は現在も現役の寺院として機能しているため、参拝時間や撮影の可否については事前に確認されることをおすすめします。また、位牌堂については現在扉が閉められており、中に入ることはできないとの情報があります。ドラマで見たシーンを期待して訪れると、実際の姿とは異なる場合があることをご了承ください。

撮影場所となった安楽律院とは

ドラマ「ばけばけ」で「清光院」として登場するシーンは、実際の松江市の清光院ではなく、滋賀県大津市にある「安楽律院」で撮影されました。安楽律院(あんらくりついん)は、滋賀県大津市坂本本町4239に位置する天台宗の寺院です。985年(寛和元年)に叡桓によって創建され、比叡山の鬼門を守る「叡山三魔所」の一つとしても知られています。

実際の清光院で撮影が行われなかった理由として、いくつかの点が考えられます。現在の清光院の本堂は、明治時代の設定には新しく見えるため、時代劇としての雰囲気を出すには適さなかった可能性があります。また、実際の清光院の位牌堂は現在扉が閉められており、開けることができません。ドラマでトキが扉を開けるシーンを撮影するには、別の場所が必要でした。さらに、安楽律院は映画やドラマのロケ地として頻繁に使用されており、撮影設備や許可体制が整っているという利点もあります。

安楽律院の歴史と見どころ

安楽律院は延暦寺横川飯室谷の別所である安楽谷にかつて存在した天台宗安楽律法流の寺院で、恵心僧都などが隠棲したところでもあります。江戸時代には、公弁法親王により四分律兼学の律院となり、妙立や霊空らが厳しい戒律主義を唱導しました。その一門を安楽律と呼んでここに住し、戒律を重んじる修行僧たちの修行の場として、厳粛な雰囲気が漂っていました。

しかし、1949年(昭和24年)12月22日の夜に放火により正殿天井から出火し、本堂、庫裏、鐘楼など六棟を焼失しました。国宝の本尊は焼けませんでしたが、古仏書約150箱など貴重な蔵品も焼失してしまいました。

現在は廃寺の状態ですが、一部の建物や高僧の墓、藤原定家の碑などが残っています。苔むした石段や石塔、境内は今なお荘厳な雰囲気を漂わせており、パワースポットとしても知られています。この独特の雰囲気が、時代劇のロケ地として選ばれる理由の一つとなっています。

ドラマでの撮影詳細と秘話

滋賀ロケーションオフィスの公式発表によると、大津市の安楽律院では「ランデブーの地 清光院」として撮影が行われました。ドラマの第7回、第10回で登場する清光院のシーンがここで撮影されています。

第7回では、トキが親戚のおじさん・雨清水傳と怪談「松風」の舞台である清光院を訪ねるシーンが印象的でした。滋賀ロケーションオフィスの公式発表では、「第7回の清光院のシーンは、滋賀県大津市の安楽律院で撮影が行われました。トキが開いた扉の先には、ご本尊がございます。井戸は美術で設置されていますが、作り物とは思えない自然さです」とコメントされています。

ドラマで印象的だった「松風の血の跡が残る井戸」は、実際には美術スタッフが安楽律院に設置したセットであることが公表されています。プロの技術によって、本物と見紛うほどの完成度で作り上げられていたのです。視聴者がドラマを見て本物だと思ってしまうほどの完成度は、制作スタッフの技術力の高さを物語っています。

安楽律院のロケ地としての実績

安楽律院は「ばけばけ」以外にも、多くの映画やドラマのロケ地として使用されてきました。佐藤健主演の人気アクション時代劇「るろうに剣心」3部作のロケ地として使用されたほか、2011年放送のNHK大河ドラマ「江〜姫たちの戦国〜」でも撮影が行われています。このように、時代劇の撮影に適した雰囲気を持つ場所として、映像制作の現場から高い評価を受けています。

廃寺となった現在も荘厳な雰囲気を残す安楽律院は、苔むした石段や古い石塔が時代劇の世界観を表現するのに最適な環境を提供しています。特に明治時代や江戸時代を舞台にした作品では、現代的な建物が映り込む心配がなく、リアリティのある映像を撮影できる点が大きな利点となっています。

安楽律院へのアクセス方法

安楽律院へのアクセスにはいくつかの注意点があります。最も重要な点として、安楽律院跡地には駐車場がありません。車でお越しの場合は、飯室谷不動堂に車を置いて、そこから約5分ほど山道を歩くことになります。不動堂の駐車場から少し下りると「安楽律院」の掲示がありますので、それに従って山道へお入りください。

徒歩でのルートは、県道47号線のVターンの場所から、10m程千野・仰木寄りの場所に「安楽律院」の矢印看板があります。それに従って10段ほどの石段を上がり、突き当たりの細道を右手に進むと上り坂が100m程続きます。やがて道が平坦になったところに「攝僧大界并攝衣界」「不許葷酒入門内」と書かれた2本の結界石柱が立っています。これが安楽律院の入り口の目印です。

山道を歩くことになりますので、歩きやすい靴で訪れることをおすすめします。石畳は滑りやすい箇所もありますのでご注意ください。また、周辺には自動販売機などがありませんので、水分補給用の飲み物を持参されることをおすすめします。

飯室谷不動堂について

安楽律院へのアクセス拠点となる飯室谷不動堂は、根本中堂、釈迦堂、横川中堂、無動寺明王堂と並ぶ延暦寺五大堂の一つです。「比叡山飯室谷・不動堂」があるこの地は、古来から「比叡山三大魔所」の一つとされています。「天悌峰」「慈恵太師御廟」そして「飯室谷・慈忍御廟」がその三大魔所で、魔所とされるのは恐ろしい処という意味ではなく、清浄地であることより、ことの他身を慎み、殺生などをしてはいけないという地を指します。

不動堂は天台宗のお寺で、ご本尊は不動明王立像です。飯室谷不動堂では、不動明王の立像をご本尊とし、病気平癒の功徳がある霊水「明王水」が湧き出ています。安楽律院を訪れる際には、この飯室谷不動堂もあわせて参拝されることをおすすめします。

比叡山ドライブウェイ利用時の注意点

比叡山延暦寺に直接自動車で行くには、田の谷料金所か仰木料金所から有料道路で行くルートしかありません。比叡山の3エリアをはじめ、各スポットには、それぞれ駐車場が完備されています。ドライブウェイは利用料金がかかりますが、駐車場はすべて無料です。

ドライブウェイは営業時間がありますので、車中泊はできません。公安委員会の指定により二輪車については、日曜日・休日は通行できません(奥比叡ドライブウェイのみ)。

冬季に訪れる方は、最新の道路情報を確認してから行くようにしてください。比叡山ドライブウェイの公式SNSアカウントで道路状況が毎日発信されています。積雪や凍結の可能性がありますので、事前の情報収集が安全な訪問のために重要です。

清光院に向かう道のロケ地・日吉大社

ドラマ「ばけばけ」では、清光院に向かう道中のシーンも印象的でした。トキと銀二郎がお見合いの場から外に出て、2人で清光院に向かう途中で渡った石橋のシーンは、滋賀県大津市の日吉大社にある「走井橋」で撮影されました。

日吉大社は全国に約3800社ある日吉・日枝・山王神社の総本宮で、平安京の表鬼門を守る神社として崇敬を集めてきました。所在地は滋賀県大津市坂本5丁目1-1で、走井橋の住所は滋賀県大津市坂本5丁目1-33となっています。

日吉大社境内にある「走井橋」は、織田信長の焼き打ち後に豊臣秀吉が寄進したものと伝えられる、日本最古の石橋とされています。歴史的価値も高く、ドラマの舞台として選ばれたのも納得です。また、日吉大社は朝ドラ「まんぷく」のロケ地にもなっており、滋賀では朝ドラの聖地として有名な場所です。「ばけばけ」の放送により、さらに多くのファンが訪れることでしょう。

日吉大社へのアクセスは、電車の場合は京阪電車「坂本比叡山口駅」から徒歩約10分〜15分です。車の場合は駐車場が完備されていますので便利です。

日吉大社参拝の見どころ

日吉大社を訪れたら、走井橋だけでなく、境内の様々な見どころも楽しんでください。西本宮と東本宮の二つの本宮、美しい紅葉で知られる境内、神使とされる神猿(まさる)の像など、見どころが多数あります。神猿は「魔が去る」「勝る」に通じることから、魔除けや勝運のご利益があるとされています。

また、比叡山延暦寺の門前町として栄えた坂本の町並みも風情があり、散策におすすめです。坂本は「石垣のまち」としても知られ、穴太衆(あのうしゅう)と呼ばれる石工集団が築いた美しい石垣が残っています。歴史ある町並みを歩きながら、ドラマの世界観に浸ることができます。

「ばけばけ」その他の主要ロケ地

「ばけばけ」は清光院のシーン以外にも、島根県、滋賀県、京都府の各地で撮影が行われています。

島根県松江市はメインの舞台となっており、城山稲荷神社ではオープニングのカット写真やヘブンとリヨのランデブーシーンが撮影されました。八重垣神社「鏡の池」は恋占いをする池として登場し、実際に訪れて恋占いを体験することもできます。宍道湖の袖師地蔵・石灰地蔵付近や嫁ヶ島では、湖の美しい風景がドラマを彩っています。

小泉八雲旧居はオープニングのカット写真に登場しており、小泉八雲が実際に暮らした家で、現在は記念館として公開されています。国宝松江城もオープニングに登場し、現存12天守の一つとして見ごたえがあります。月照寺は松江藩主松平家の菩提寺で、小泉八雲の作品にも登場する歴史ある寺院です。

滋賀県では、ヘブンが英語教師として働く「松江中学校」の外観が近江八幡市にある市立八幡小学校で撮影されました。明治時代の学校の雰囲気を再現するのに適した歴史ある建物です。

京都府では、松竹撮影所が拠点となり、家庭内のシーンや細やかな演出が撮影されました。妙心寺では、銀二郎を探し東京にやってきたトキがふらふらと歩いていたところ、人力車の銀二郎に拾われる境内の道が撮影されています。京都府庁旧本館では、ヘブンとリヨのランデブーした島根県庁のシーンが撮影されました。明治時代の庁舎建築の雰囲気を残す歴史的建造物です。

清光院周辺の観光スポット

清光院周辺には、松江の歴史や文化を感じられるスポットが多数あります。

松江城は国宝に指定されている現存天守を持つ城で、清光院から徒歩圏内にあります。天守からは宍道湖や松江市街を一望でき、城下町の歴史を感じることができます。

小泉八雲旧居は小泉八雲が松江で暮らした家が保存されており、八雲の生活ぶりを垣間見ることができます。隣接する小泉八雲記念館では、八雲の生涯や作品について詳しく学ぶことができます。

月照寺は松江藩主松平家の菩提寺で、小泉八雲の作品にも登場する歴史ある寺院です。広大な境内には歴代藩主の墓所があり、静寂な雰囲気の中で歴史を感じることができます。

これらを組み合わせて巡ることで、「ばけばけ」の世界観と松江の歴史文化をより深く楽しむことができます。

聖地巡礼モデルコース松江編

松江での聖地巡礼1日コースをご紹介します。

午前は松江しんじ湖温泉駅からスタートし、まず清光院を参拝して怪談「松風」の舞台を訪れます。その後、徒歩で小泉八雲旧居・記念館へ向かい、八雲の生活ぶりや作品世界を学びます。

昼食は松江名物のそばや、宍道湖のしじみを使った料理を楽しむのがおすすめです。宍道湖のしじみは全国的にも有名で、しじみ汁やしじみご飯など、地元ならではの味を堪能できます。

午後は国宝松江城を見学後、城山稲荷神社、月照寺を巡ります。時間があれば八重垣神社で恋占いも楽しめます。八重垣神社の「鏡の池」は、紙の上に硬貨を乗せて池に浮かべ、沈む時間と距離で恋の行方を占う独特の占いで人気です。

夕方は宍道湖畔で美しい夕日を眺めながら、ドラマの世界に思いを馳せます。宍道湖の夕日は「日本の夕日百選」にも選ばれており、湖面に映る夕日の美しさは格別です。

聖地巡礼モデルコース滋賀編

滋賀での聖地巡礼1日コースをご紹介します。

午前は京阪坂本比叡山口駅からスタートし、まず日吉大社を参拝して走井橋でドラマのシーンを思い出します。日吉大社の境内は広く、西本宮、東本宮をはじめ見どころが多いので、時間に余裕を持って訪れることをおすすめします。

昼食は坂本の門前町で楽しみます。比叡山そばなどがおすすめで、門前町ならではの風情ある食事処が点在しています。

午後は飯室谷不動堂に車を置いて、安楽律院へ向かいます。約5分の山道を歩いて、清光院のロケ地を訪れます。往時の雰囲気を残す境内で、ドラマの世界を体感してください。飯室谷不動堂では、病気平癒の功徳がある霊水「明王水」もぜひ汲んでみてください。

夕方は比叡山延暦寺も併せて訪れると、より充実した旅になります。延暦寺は世界文化遺産にも登録されており、日本仏教の母山として重要な歴史を持っています。

松江・滋賀周遊コース

両方の聖地を巡りたい方には、2〜3日の周遊コースがおすすめです。

1日目は松江市内を巡り、清光院、小泉八雲旧居、松江城、城山稲荷神社、月照寺などを訪れます。2日目は松江から京都または大阪方面へ移動します。松江から滋賀への移動は、電車で約4〜5時間かかりますので、余裕を持ったスケジュールで計画されることをおすすめします。3日目は滋賀県のロケ地を巡り、日吉大社、安楽律院、比叡山延暦寺などを訪れます。

移動距離は長くなりますが、両方の場所を訪れることで、ドラマに登場する「清光院」の実在のモデルと撮影場所の両方を体感でき、作品の魅力をより深く理解することができます。

訪問時の注意点とマナー

聖地巡礼で撮影場所を訪れる際には、いくつかの注意点があります。

清光院、日吉大社、安楽律院はいずれも宗教施設です。参拝時には静粛にし、写真撮影の可否を確認してから撮影するようにしましょう。特に本堂内部や仏像の撮影は禁止されている場合が多いので、事前に確認することが大切です。

ロケ地の中には私有地や立ち入り制限のある場所も含まれます。看板や案内に従い、無断で立ち入らないようにしましょう。また、ロケ地周辺には地域住民の方々が暮らしています。大声で騒いだり、迷惑となる行為は控えましょう。

安楽律院は山中にある廃寺跡ですので、特に注意が必要です。歩きやすい靴、動きやすい服装で訪れてください。周辺に自動販売機がありませんので、必ず水分を持参してください。石畳や山道は滑りやすい箇所があり、雨天後は特に注意が必要です。冬季は積雪や凍結の可能性がありますので、比叡山ドライブウェイの道路状況を事前に確認してください。山中のため日没後は暗くなりますので、明るいうちに下山できるよう計画してください。

2025年関連イベント情報

2025年は小泉八雲をモチーフにした朝ドラ「ばけばけ」の放送に合わせて、松江市では様々なイベントが開催されています。

その中でも注目は「松江ゴーストツアー2025」です。小泉八雲の「怪談」の舞台を巡るツアーで、松江の夜を歩きながら怪談の世界を体感できます。コースには松江城のギリギリ井戸、月照寺、清光院、大雄寺などが含まれており、ドラマの世界観をより深く楽しむことができます。5月から10月にかけて開催されており、詳細は松江観光協会の公式サイトで確認できます。

また、松江市では「小泉八雲朗読のしらべ2025」も開催されています。小泉八雲の作品を朗読で楽しむイベントで、八雲文学の魅力を再発見できます。

小泉八雲と松江の怪談文化

小泉八雲は松江滞在中に多くの怪談を収集しました。松風の話は八雲が直接紹介した怪談ではありませんが、八雲は松江で「謡曲『杜若(かきつばた)』を歌うと厄災が起こるという橋が普門院のそばにある」という怪談を『知られぬ日本の面影』に記しています。

松江には、このような怪談や伝説が数多く残されており、それらが「ばけばけ」の物語を彩る重要な要素となっています。明治時代に外国人として日本に暮らした八雲が、なぜこれほどまでに日本の怪談に惹かれたのか。その答えは、松江という土地が持つ独特の雰囲気と、そこに根付く豊かな口承文化にあったのかもしれません。

ドラマ「ばけばけ」は、そうした八雲と松江の深い結びつきを、現代の視聴者に伝えています。聖地巡礼を通じて、実際にその土地を訪れ、空気を感じることで、ドラマの世界観がより鮮明に理解できることでしょう。

まとめ

NHK朝ドラ「ばけばけ」に登場する「清光院」について、実在するモデルとなった島根県松江市の清光院と、実際の撮影場所である滋賀県大津市の安楽律院の両方をご紹介しました。

ドラマでは、怪談「松風」の悲しい恋の物語が、トキと傳のランデブーのシーンと重なり、印象的な場面を生み出していました。松江市の清光院は約200年の歴史を持つ由緒正しいお寺であり、怪談「松風」の伝説が今も語り継がれています。一方、実際の撮影は滋賀県大津市の安楽律院で行われました。比叡山の「叡山三魔所」の一つ「飯室谷」に位置するこの寺院は、1949年の火災で廃寺となりましたが、今も荘厳な雰囲気を残し、時代劇のロケ地として人気があります。

聖地巡礼では、松江市の実在する清光院を訪れて怪談の舞台を感じるもよし、滋賀県の安楽律院を訪れて撮影の雰囲気を味わうもよしです。両方を訪れることで、ドラマの世界をより深く楽しむことができるでしょう。

「ばけばけ」は、西洋化が進む明治の日本で埋もれてきた「名もなき人々」に光をあて、語り紡いだ夫婦の物語です。聖地巡礼を通じて、小泉八雲とセツが愛した松江の文化や、ドラマの撮影が行われた滋賀・京都の歴史ある場所を訪れることで、作品の魅力をさらに深く感じていただければ幸いです。ぜひ、この記事を参考に「ばけばけ」の聖地巡礼を計画してみてください。明治時代の日本に思いを馳せながら、怪談の舞台を巡る旅は、きっと忘れられない体験になることでしょう。

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