朝ドラ「ブギウギ」スズ子の東京ブギウギ

物語は大正15年の時代を背景に始まり、戦前の芸能界を中心に展開されます。主人公のスズ子が、歌手として成長していく過程が丁寧に描かれています。物語には、歌やダンスなど、ステージ上でのライブパフォーマンスが多く盛り込まれています。

物語の第1話の冒頭では、「東京ブギウギ」を歌うステージシーンが登場し、以降も歌唱シーンが続々と描かれます。これらのシーンは、スズ子の内面的な成長と、歌手としての表現力の向上が同時に進んでいく様子を反映しています。それはまるで、ドラマを観ているかのようでありながら、歌、ダンス、笑いが含まれたバラエティショーを楽しんでいるかのような魅力があります。

ブギウギの魅力は、登場人物たちの人間模様が巧みに描かれている点にあります。同期や先輩との小競り合い、五木の裏切りなどのエピソードが、適度に盛り込まれているため、視聴者が不快に感じることなく、かつ物語に深みを感じることができます。特にツヤや六郎の死は視聴者に深い悲しみを与えましたが、その後の歌や踊りのシーンは元気を与えてくれます。朝の時間帯に放送されるドラマとして、ブギウギは朝ドラ特有の温かみを保ちつつ、ミュージカルのような新しい魅力も持っている、素晴らしい作品だと思います。

このドラマを通じて、戦前から太平洋戦争に至る時代の人々の生活に思いを馳せることができました。このような形で戦前戦後の時代が描かれるのは珍しく、登場人物に感情移入できると同時に、朝ドラならではの時間の流れを感じられたと思います。戦争に関する知識はあっても、実際に想像するのは難しいですが、このドラマは臨場感を持って戦時下の生活を伝えてくれ、感謝の思いが湧きます。

日本の歴史では、幕末から明治維新、内乱、対外戦争と、常に動乱の時代が続いており、その中で生きる日本人たちの様子が描かれています。笠置シズ子の人生も様々な出来事があり、困難な時代を生き抜いてきました。このドラマはフィクションであるものの、実在の人物をベースにしており、事実を忠実に描いていると感じます。

「現在の政治や芸能の混乱との関連性を示したい」という意見には、戦後のスズ子の物語が重要な要素として含まれていると考えられます。芸能会社御曹司との恋愛も、スズ子の選択や価値観に影響を与えている事柄です。

ブギウギは、様々な現実を描く作品です。地方巡業でのエピソードや、空襲警報が鳴るタイミングなど、時には展開が複雑に感じられることもありますが、現実に起こり得ることを巧みに物語に織り交ぜていると思います。

五木ひろきが手紙を残して姿を消した場面では、すず子は五木が自分とは異なる人のために生きていくことを理解していて、その点を非難することはありませんでした。すず子自身も、ツヤや梅吉という血の繋がらない二人に愛情を持って育てられた人で、義理と人情に厚い性格です。小夜を可愛がったり、六郎の死を知った際には

小夜に慰められたりと、彼女の人間関係は多岐にわたります。バンドメンバーも、仕事がなくなってもすず子を信じて待っていました。トミは当初はすず子と愛助の交際に反対していましたが、結核で苦しむ愛助の看病をすず子が行っていることを知り、山下達夫のマネージャー問題を許してくれました。多くの出来事が次々と起こりますが、すず子はツヤから学んだ義理と人情を大切にして生きています。

市井の人々のリアルな日常を描く泥臭さが、ブギウギの特徴です。人情味に溢れ、心地よさを感じるドラマです。

新年最初の放送を楽しみにしていますが、戦争がまだ終わっておらず、状況は悪化の一途をたどっています。スズ子たちが以前住んでいた下宿屋のご夫婦やおでん屋のおじさんが無事であることを願っています。

戦後のGHQの占領下では、戦中・戦前とは比べ物にならないほどの検閲や言論弾圧が行われました。以前の「エール」では、その時代の悲しさや人間の軽薄さ、NHKの役割が描かれていました。ブギウギでは、戦後の混乱もリアルに描いてほしいと思います。

久しぶりにリアルタイムで見る朝ドラに夢中になっています。笠置シズ子や趣里さんに興味がなかったのに、ドラマの魅力に取りつかれました。特に「ラッパと娘」のような素晴らしい音楽が魅力的です。

音楽担当の服部隆之氏が、自身の祖父をモデルにしたキャラクターのドラマで音楽を担当するのは珍しいことです。彼のインタビューを読むのが楽しみです。

服部良一とジャニー喜多川の関係や、笠置シズ子の歌を模倣した美空ひばりとの確執、ひばりを支えた暴力団の存在など、NHKは歴史の真実を大切にしているので、これらの話題も避けずに取り上げてほしいと思います。

「芸能界の闇」については、反社との関係が避けられないテーマです。特に地方巡業では、地元のヤクザとの関係が重要で、これがドラマにどのように反映されるかは注目のポイントです。村山興業の女社長や専務のキャラクターは演出上の工夫ですが、それが現実のギリギリを表しているかもしれません。前半3ヶ月があっという間に終わり、後半の展開も楽しみです。

戦前・戦中の生活やキャラクターの描写は、昭和時代に制作されたテレビドラマの方がリアルかもしれません。

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