朝ドラ「らんまん」野宮さんのモデルは平瀬作五郎。20年近く経って報われる

NHKの連続テレビ小説「らんまん」で、イチョウの大発見をした元画工の野宮が大学を辞めることが判明し、ネット上で「辞めないで!」との声が上がった。万太郎は波多野に、野宮が認められなかった理由を尋ねるが、学歴のない元画工だったことが原因だという。

野宮さんにとって、大学での仕事を辞めるのは大変な決断だったはずです。以前、田邊教授から「万太郎と同水準の植物絵を描けないなら、福井に帰れ」とまで言われたときでも、親の状況などもあって大学を辞めることができなかったと話していました。しかし、波多野くんから共同で研究を進める提案を受けたときは、万太郎にも描けない「見えない世界」を描くことに目を輝かせていました。

その後、研究を続け、ついに大発見をした後に待ち受けていたのは、国内外からの批判でした。これは本当に気の毒です。夢を実現させた人が、納得できずに大学を辞めることがないように、明日に期待したいです。

野宮のモデルとなった平瀬作五郎は、福井県出身で、福井中学校(現:県立藤島高校)で図画教授を務めた後、ドラマと同様に帝国理科大学画工に転じました。1894~96年にかけて、イチョウの精子発見に関する論文を発表しました。しかし、その後は彦根中学校(現:県立彦根東高校)・花園中学校(現:花園中学校高等学校)の教諭として生涯を終えました。

藤島中学校と彦根東高等学校は、現在でも福井県と滋賀県の名門校であり、花園中学校も臨済宗の伝統校です。しかし、植物学において世界初の発見を成し遂げた平瀬清次郎は、学歴のために報われず、中学校の先生として働いていました。

最初の発見から20年近く経ってから、池野成一郎(波多野のモデル)と共に「ソテツの精子の発見」の功績でようやく恩賜賞を受賞しました。しかし、池野が「平瀬さんを表彰しないなら、私も辞退する」と言い張ったため、平瀬はやっと報われることができたそうです。ドラマの中でも、平瀬が報われる時が来てほしいです。

野宮さんのモデルである平瀬作五郎が彦根中学の教師になったことで、野宮さんを参考に固有種オオトックリイチゴの発見につながったことがあります。これは、平瀬作五郎さんが植物学に深い愛情を持っていた証拠と考えられます。

野宮さん、辞めないで!という声もありますが、終盤に差し掛かると様々なことが大きく動き出す予感がします。槙野博士が90代で亡くなったこともあり、朝ドラではどこまで描かれるのか気になります。しかし日々のドラマを楽しみつつ、見守っていきたいと思います。

野宮役の亀田さんは地味ですが、誠実な印象の俳優さんですね。最近はあるドラマに公務員の役で出演していました。野宮は辞職して地方の中学の美術教師になるようですが、それもいいかもしれません。東大にいるとぞんざいな扱いを受けるでしょうから。視聴者としては、野宮に会えなくなるのは寂しいですが…。

史実はどうか分かりませんが、野宮にせよ万太郎にせよ、こうして理不尽に冷遇される実態がこのドラマの展開通りだとしたら、全く納得いかないですね。なぜなら、江戸時代の身分制度という旧弊が日本の進歩を妨げ、停滞させたというのが討幕維新運動の主張の柱だったわけです。だから、明治時代というのは、いろいろ良くない面もあったとしても、とにかく出自や地位に関わらず実力を持つ者がのし上がっていける社会だったと私は信じていたので、渋沢栄一や岩崎弥太郎だってそれこそ元はどこの馬の骨か分からない人物だったのですよね。ある意味、平成令和の現代のほうが世襲やコネばかり幅を利かせていて駄目だと思っていましたから。まぁ、明治も半分終わったこの頃になると、既に「偉い人たち」はガッチリとその基盤を固め、自分たちの既得権を脅かす者を排除しようと躍起になっていたのでしょうかね。人間社会ってやつはやはりウンザリしますね。

えーと、波多野さんが農科大の教授になり、野宮さんが辞職すると、普通に考えて東大植物学教室は人材が薄くなりすぎませんか?徳永教授がどう考えているか分かりませんが、後進が育っているので問題ないのでしょうか?そして、波多野さんが農科大に野宮さんを招くことはできないのですかね?移動したばかりではそこまで無理なのでしょうか?

モデルとなった平瀬作五郎さんは、その後しばらく彦根東高校の前身、彦根中学で美術の先生として勤務されたが、彦根東高校のシンボルツリーがイチョウであるのはそういうわけなのだろうか?また、「ゆるキャラぎんにゃん」というのがいますが、現代のようにビデオや動画のように記録を残せればいいのに、と強く思います。

元画工でも、精進すればこんなに見事なサンプルを作り、苦労の末発見に至ったのだとドキュメンタリーにして世界に示せるのに、と考えます。

野宮さんがいないと、植物図を描く人がいないのではないでしょうか。勢力図や権威ばかり気にしていたら、必要な人がいなくなってしまう。今後のストーリーが、そのことに気づけるようになればよいのですが。

日本の学術界隈のこういう所、今もあまり変わっていないようです。田中耕一さんがノーベル賞を受賞した時も、博士号を持たないだけで、「ふさわしくない」とか「学者じゃないのに」とか言われていたものです。

しかし、『らんまん』は、脇役の人生も細やかに描いています。『ちむどんどん』の雑さとは打って変わっています。万太郎も同じような理不尽な理由を言い渡されたことがあったなと思います。明治も令和も、理不尽なことはたくさんあります。特に日本は、そうですね。ドラマの展開で「やめないで!」なんて騒いでいる連中は、理不尽な目に遭ったことのない、幸せな人たちなのかもしれません。

平瀬作五郎は野宮のモデルであり、世界的な大発見であるイチョウ精子発見の翌年に東京大学を辞職し、彦根中学校の教員として赴任している。そのため、野宮の辞職は一般的な経緯だと言えます。

日清日露戦争に勝利したことから、国内では権威主義と硬直した体制ができ始めたのでしょう。

才能があり、その分野に多大に貢献してきたにもかかわらず、つまらぬ理由で潰される人が少なくなかったでしょう。

帝大初期の暗闘もよく描かれています。いつの時代も、理不尽なことはたくさんありますね。

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