朝ドラ「らんまん」田邊教授にマウントを取ってきた美作教授(山本浩司)

NHK連続テレビ小説「らんまん」の10日放送回で、田邊教授(要潤)が動物学の美作教授(山本浩司)にマウントを取られる場面があり、ネット上でも「焦ってるな」といった声が聞かれました。

この回では、田邊教授が部会後に動物学の美作教授に「実験所の建設が認められたとか?」と尋ね、美作教授は「海洋生物の新発見が続きましてね」とちょっぴり得意そうに答えた場面が描かれました。

すると美作教授は思い出したかのように、「お茶の水の高等女学校の件です。田邊教授が校長就任に前向きとは伺っていましたが、校長の話が私に回ってきまして」と、自分が校長に就任することになったと報告しました。「あなたの今の奥方もつい5月までうちの生徒だったとか。どうです?我が女生徒を妻にした感想は?」などと聞かれ、田邊教授は愛想笑いを返すのが精一杯でした。

この美作教授の言葉に何も言い返せなかった田邊教授は、そのイライラを大窪講師(今野浩喜)にぶつけてしまいました。

田邊教授は、新しい分野で開拓者となり、結果を出さなければならず、後進も育成しなければなりません。彼の仕事は教えることであり、また研究も必要です。政府との協力、家庭生活や人間関係、研究者同士や学会とのつながりというややこしい立ち位置にも直面します。この朝ドラで、そのような彼の立場が垣間見られました。 田邊教授は陰で、万太郎は陽に映る。人生は順風満帆に進むこともあれば、何かを切り捨てなければいけないこともあります。手を広げすぎると、網目から色々こぼれていくことになります。

万太郎が世間に認められる学歴や知名度、立場を持っていれば、教授とタッグを組むことができるかもしれませんが、今はまだそういう時期ではありません。孤軍奮闘というところでしょうか。教授にも注目している方がたくさんいらっしゃいます。きっと。

山本浩司さんは動物学の美作教授役を務めています。10数年前の菅野美穂さん主演の映画「パーマネント野ばら」で、ギャンブル依存で身を滅ぼす役を演じた彼の演技は、強烈に印象に残りました。今回の登場で、その演技がすぐに頭によみがえりました。今後の彼の演技にも注目したいです。

美作教授のモデルとなった教授は、海産動物の採集人として有名な通称「熊さん」という人を雇っていました。ぜひ、「らんまん」にも登場させてほしいなー(^^)。熊さんは、牧野とは対照的で、採集人に徹した人です。今の私から二人を見ると、どっちが良いとかではなく、自分の納得できる道を選ぶのが幸せなんかな、と思ったりします。

「らんまん」は毎日楽しみに観ています。今回の朝ドラは久々に筋の通った骨太ドラマで、人気よりも実力派の役者を起用し、ストーリー展開も自然で違和感もなく、質の高いドラマになっています。

余談ですが、今回登場する美作教授役の役者は、顔や喋り方が「香川照之さん」かと思ったら、山本浩司さんでした。

田邊教授の「戸隠草」や教え子を妻にしたことなどは、万太郎の人生に直接的な影響を与えたエピソードではないので、スルーするかと思いきや、しっかりと触れられていましたね。 田邊教授が東大を追われるきっかけの一つとされているため、その意味では触れないわけにはいかないのでしょう。 嫉妬心や出世欲絡みのエピソードが描かれているだけに、朝ドラには合わない気がしますが、描き方次第で、あまりドロドロしないほっこり系の朝ドラ風にも、逆にドロドロした権力闘争モノドラマ(日曜9時TBSドラマ風)にもなり得るでしょう。ここは脚本家や演出家の腕次第でしょうが…… 今後の展開が本当に楽しみです。

東大内での権力争いなのか、実績争いなのか、田邉教授の苦悩も理解できますが、前回の万太郎に対する「虫けら」発言に続いて、大窪らへの「ゲスな連中」発言は不適切です。

農業学の品種改良のように、農業の生産性を上げることができるとか、動物学の養殖のように目に見える成果を上げることができるとか、植物学とは違う学問なのでしょうか。植物学は新種発見などといっても、地味に感じられます。

美作助教授の動物学は多くの実験が可能な学問であり、田邉教授の植物学は多くの発見が必要な学問です。特に、田邉教授と万太郎は新種を発見して発表したいと考えているため、大変なのでしょう。

インドに学歴はなかったが、数学の天才ラマヌジャンとケンブリッジ大学の数学教授ゴッドフレイ・ハロルド・ハーディのコンビがうまくいっていたらよかったのにと思います。しかし、このコンビもラマヌジャンの夭折で断たれてしまいました。彼がもっと生きていたらと思います。決闘で死んだガロアなんかももっと生きていたらと思います。

美作秀吉という中国大返しなパロディネームも可笑しいが、研究所の予算がついて、アコヤ貝云々と言ってたのは、その後押しでミキモトパールが誕生するという隠しネタなのだよね。

戸隠草。親子3代で研究していて、花が咲いた資料がないというのも変な話だけど、伯父が実は持っていて隠匿しているのかもしれない。

また、山本浩司さんが嫌味な役を上手く演じるので、観客はそれを楽しんでいるのだろう。

美作教授役の人って、「相棒」のボーダーラインの人だよね?なぜか自分の中でザワつくんだよ、なぜか・・・。奥さんのこと下品に言われて苛立っていたようだね。きっと大事にしているんだろう。それでも、万太郎に助手を頼むのはどうだろうか?ちょっと現代劇っぽいな。

美作教授、すごいヒゲでしたね。毛の量が半端なかったです。どこか無人島に漂流して長いサバイバルを生き抜き、奇跡の生還を成し遂げたくらいのヒゲの量でした。田邊教授からすると、腹立たしい男性でした。まず自分の生物学の業績を自慢してきて、お茶の水の学長の話をし、自分が田邊教授から取ったことを言い、田邊教授の後妻がお茶の水の元学生で、学生に手を出したことも話していました。田邊教授からすると、もうあのヒゲ、一本残らず引き抜いてやろうかという気分になったようですね。イライラしたら、やっぱり大窪君に当たってしまうのでしょうか。大窪君は、そんな役回りなのでしょうか。つらいですね。

美作教授は常に顔をさわさわしているようですね。倉木の子のハッパサワサワ攻撃は、強そうですね。しっかりと耐性があるからでしょうか。

鹿鳴館の件で、寿恵子を見て女子教育が急務だと言った時から、田邊の女子教育は良妻賢母を育成することが目的だと思いました。当時はそういう時代だったのでしょう。男女が手を取り合っていいながら、後継者のいない妻を離縁しようとするヤバ藤と同じです。女子教育を受けられる子を中退させて嫁に出す文化もありました。

嫌みや妬み、嫉みを駆使した、 象牙の塔のアカデミックハラスメント。 負けたら地獄、勝っても無意味。

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