朝ドラ「らんまん」遺言じゃないし!田邊教授は万太郎に託したのね

あらすじ:田邊(要潤)が亡くなったという知らせに、万太郎(神木隆之介)、波多野(前原滉)、藤丸(前原瑞樹)は驚きを隠せない。数カ月後、長屋に聡子(中田青渚)が現れ、田邊の遺言を万太郎に伝えるためにやって来た。一方、寿恵子(浜辺美波)は、家計を助けるためにみえ(宮澤エマ)に会いに行くことを決意し、また図鑑を作る夢をかなえるためにも久々に会う。

「全ての蔵書を槙野に託す」 そう告げて、田邉は聡子に別れを告げた。 田邊は妻と娘たちと新しい命とともに、新しい人生を歩もうとしていた。「大学が殺したようなものだよ。本当に事故なの?」という藤丸の疑問を、聡子の言葉が静かに消し去った。 田邊と万太郎の距離も、静かに縮まっていく。 聡子はまだまだ深い悲しみの中にいるが、その強さと前向きな姿勢によって救われる思いがした。

今日、見ていてふと感じたんだけど、万太郎が何だか歳をとったように感じた。 何だか、川端康成のような雰囲気が出始めているような気がした。 つくづく、この俳優さんの演技の凄さを感じた。

田邊教授が蔵書を万太郎と聡子さんに伝えたのは、良く言うところの『虫の知らせ』だったのかなぁ。 事故、自殺どちらとも取れる流れにしてあるのが、らんまんの脚本の素晴らしさ。 そして、それぞれの妻が強く逞しく美しく生きてる姿を見て、心から応援したくなる。 朝ドラ史に残る名作をリアルタイムで観れてることが幸せです。

聡子さんの描かれ方が聡明で賢明な女性で、言葉選びも所作も美しい! こういう細かいところまで描いてる脚本と演出も素晴らしい! 田邊教授のモデルになった矢田部教授の奥様は90歳まで生きられたそうです!

久しぶりのみえ伯母さん!

この時代に、東大の教授まで勤めた人の葬儀が身内のみっていうのはね… 本当のところは本人しかわからないのですが、藤丸が言った言葉が世間の認識だったのでしょう。 聡子さんが実家に帰らない理由の一つかもしれませんね。残された娘2人もいるし。 史実とうまく絡ませて、相変わらず脚本が上手だなと思いました。 そして万太郎が青年から精悍な大人の顔つきになってきていて、さすが神木くん。

新種を発見した時、大学を辞めてから驚くほど晴れ晴れとしていた。本来はこういう顔をする人なんだろうな。あのパワハラモラハラは引いたけど、あんなに人って変わるものなのか。 少なくとも亡くなったのは大学辞めてから数年経ってるはずなので、楽しく好きに過ごしていたと思う。結果的に、と言っていいものが、万太郎には完全にプラスなことばかりくれた。

藤丸たちは田邉教授は「大学に殺されたようなものじゃないか!」と憤慨したりもしてましたが、訪れた聡子の話を聞くと「旦那様ね、これから思う存分、生きようとされてたんですよ」と、教授は事故死だと信じていたようですね。 教授の蔵書を託される形となった万太郎は、同時に植物学者としての教授の遺志も受け継ぐという、実に胸アツなエピソードとなりましたね。

そして、本当に忘れ去られていたんじゃないかと思うほど久々に登場のみえ叔母さん。万太郎の旅資金の工面の相談にでも行ったんでしょうか。それとも借金?

オープニングの愛の花、いつも1題目しか聞かないが、その後の歌詞には、「恋に焦がれた人は 人は天の上」とか「空は晴れずとも 愛を胸に祈るわ」とか言う歌詞がある。 「空が晴れたら」の部分に慣れていたので、「空は晴れずとも」を知ったとき、胸をつかれた。 田邊教授は「天の上」。聡子の心は、「空が晴れたら 逢いに 逢いに来て欲しい」、「空は晴れずとも 愛を胸に祈るわ」だろう。。。

田邊教授は不慮の死ではなく、もしかしたら…との憶測も飛び交ったのでしょう。田邊邸にしばらく人が集まって聡子は外に出られませんでした。しかし聡子は、「私たちと共に生きようとしていた」と否定し、蔵書を受け取って欲しいと話します。前向きに万太郎に託すという夫の意志を、聡子は伝えたかったのだと思います。田邊の書き込みのある蔵書。それを開いてみて、田邊の志は万太郎に伝わったのではないでしょうか。

ことづて(遺言ではなく伝言)で、書籍をMr.Makinoに譲るように伝える。 田邊教授の精神は、万太郎と一緒に植物学を広めることになる。 キレンゲショウマの時と同様に、平和で明るいまとめ方になった。

そして、寿恵子と聡子さんの友情は続いている。 近い将来、子供たちを連れて浅草寺と浅草見物に行き、帰りに天ぷらか雷おこしを食べるなど、楽しい時間を過ごすつもりだ。

聡子は長屋を訪れ、田邊教授の蔵書を万太郎に渡す。 教授の遺志がこめられた大切な品だ。

万太郎は悲しみの中でも、今後の決意を語る。

寿恵子の前向きな考え方と明るい表情には、いつも励まされる。

田邊教授の物語をもう見ることができないと思うと、喪失感を感じてしまいますね。彼は本当に魅力的な人物でした。それは、脚本や演出、そして要さんの演技が優れていたからでしょう。特に、心の機微を表現する方法が絶妙でした。

田邊先生が微妙な形で亡くなり、貴重な蔵書は万太郎へと残されました。田邊先生に関する解釈は、視聴者それぞれによって異なるかもしれませんが、微妙な余韻が残ると思います。ドラマとしては、これで一区切りとなり、新たな展開が楽しみです。

以前、田邊教授が寿恵子にきつい一言を言われ、その後の彼の気持ちに変化があったかは不明でした。しかし、この回でそのことが分かりました。上手く回収されたと言えます。脚本家のセンスを感じる毎回ですが、今回も素晴らしい出来だと思いました。

田邊教授は万太郎を認めていたため、自分にとって脅威な存在だったようです。事故なのかな…。そこで聡子の「生きようとしていた」という言葉を信じることにします。万太郎は田邊教授を憎んでいなかったし、田邊教授も万太郎を認めていた。二人が協力できる状況があれば良かったのに、今の状況は本当に残念です。

このドラマは久しぶりに良いなと思います。物語の展開や心情描写が丁寧で、脚本や役者さんが素晴らしい。聡子さんの演技も、幼さと強さが上手く入り混じって、田邊教授の妻を完璧に演じています。

聡子さんのふんわりした印象は抜けて、自分の足で立つ芯のある女性になったように思います。田邊教授が「私の植物学は終わった。この先の植物学はミスター槙野に…」と言った時に、後ろに続かない「ミスター槙野に…」という言葉が無かった分、田邊教授が万太郎に対する思いや期待が伝わってきました。

田邊が亡くなったが、聡子は穏やかで元気そうで良かったです。子供たちのため、お腹の子のためにも、悲しんでばかりいられないということでしょう。控えめで従順な聡子だったが、本当に強くなったと感じます。田邊の蔵書を万太郎に与える場面では、やはり田邊教授が万太郎の存在を認め、気を使っていたのだろうと感じました。槙野家の火事では、万太郎を支える寿恵子が頼もしかったです。

田辺教授が将来学者として途絶えても、自分が命を終えても、教授の道は受け継がれていくと、松坂慶子さんが演じたお祖母さんは言います。彼女は、孫の立身出世だけでなく、大勢の意志を継承することを喜ぶでしょう。

今回の田邉教授と万太郎さんの、縦と横、陰と陽の対極は、私たちの人間関係を象徴しているように感じました。例えば、万太郎さんは幼少期に父と母を亡くし、身体も弱く、生死の境を彷徨った経験があります。そのため、遠回りできない焦りや、民権運動で誓った人権への思いなど、万太郎さんの背景を田邉教授は知りません。同様に、田邉教授の人生の背景や植物学の始祖としての志、背負っているものの重さ、その事情を万太郎さんは知りません。

私たちも、相手の本当の姿や背景を知らない状態で、目に見えるものや発する言葉のごくわずかな情報だけで相手の人物像を想像してしまっているかもしれません。

自然を表すと言われる太極図の陰陽には優劣がなく、白と黒は交じり合ってグレーになりません。それぞれの光や闇が混在する白と黒の役割や個性が活かされています。作者も自然に抗わず、このドラマ展開にしたのだと思いました。

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