朝ドラ「ブギウギ」淡谷のり子さんをモデルにした茨田りつ子役を演じる菊地凛子さんの「別れのブルース」が高評価

ブギウギ

NHKの朝ドラ「ブギウギ」の第69話が、10日に放映されました。このドラマでは、「ブルースの女王」と称される故・淡谷のり子さんをモデルにしたキャラクター、茨田りつ子役を演じる菊地凛子さんが「別れのブルース」を力強く歌い上げました。X上では、「まるで淡谷のり子さんが生き返ったかのようなパフォーマンス」「もっと早く淡谷のり子のこのような歴史を知りたかった」といった、淡谷さんへの懐かしい思い出や感動を表すコメントが数多く寄せられました。

淡谷のり子さんについて私が知る限り、彼女は歌謡界の重鎮であり、「淡谷センセイ」と敬称されるほどの存在でした。私が幼い頃、テレビで彼女が「別れのブルース」を歌う姿を見た際、母から「彼女は青森の裕福な家庭の娘で、家族が事業に失敗し苦労を重ねた」とか、「この曲を歌うために無理してタバコを吸い、声を枯らした」という話を聞かされたことが印象に残っています。

このドラマでは、菊地さんが淡谷さんの独特な魅力を大切にしながら演じており、彼女でなければ淡谷さんの魅力をこれほどまでに表現できないのではないかと思うほどです。

特に印象的なのは、清水アキラ氏との「オールスター紅白ものまね歌合戦」での対決です。このエピソードは、まるで漫才のような面白さがあり、淡谷さんの歌よりも強い印象を私に残しました。時折、このエピソードを思い出すと、懐かしさと笑いで涙がこぼれます。

また、「別れのブルース」の歌詞には、恋愛だけでなく、親子や兄弟、配偶者、友人とのさまざまな別れの辛さが重なり合い、人々の心に寄り添う力強さが感じられます。ドラマの中で茨田さんが鹿児島での慰問公演で、もう二度と会うことのない隊員たちへの思いを込めてマイクスタンドを握るシーンは、特に印象深かったですね。舞台の袖で、次に登場するスズ子に向けた微笑みも素敵でした。茨田さんは一見サバサバしているようですが、実は深く思慮する性格で、今日の歌を通して、長い間背負ってきた重荷を下ろしたのではないかと感じます。明日はスズ子に注目ですね。

淡谷さんは、特攻隊員の前での歌唱経験を語ったことがあり、彼らが死に向かっていく様子に深い衝撃を受けたそうです。その時代の歌手たちは、戦争を続けてはならないという強い意志を持ち、その思いを歌に込めて伝えてきました。林伊佐緒さんの「出征兵士を送る歌」や、二葉あき子さんの「夜のプラットホーム」、さらには渡邊はま子さんの「モンテンルパの夜は更けて」や竹山道夫さんの「異国の丘」など、戦争を経験した人々の歌は、戦争の悲劇を忘れてはならないというメッセージを伝えています。

私が60年前に淡谷のり子さんの歌声を初めて聴いた時、彼女はテレビやラジオで人気のある歌手でした。中学生だった私は、彼女の歌声に圧倒されたことを覚えています。楽屋訪問の機会にサインをいただいた際、彼女は気さくに接してくれました。舞台での堂々とした姿とは異なり、近くで見ると彼女の濃いメイクやドレスの白い肌の美しさに驚きました。今日の菊地凛子さんの熱唱を見て、当時の淡谷さんの姿を思い出しました。

茨田りつ子さんの挨拶「このような日が、どこまでも続きますように」という言葉は、劇中の台詞に留まらず、現代の不安定な世界情勢を考えると、作者から現代の人々へのメッセージのように感じました。

また、淡谷さんが「徹子の部屋」で話したエピソードも印象的です。「笑って死んでいった特攻隊員の無念さを理解しているから、努力を怠る若い人たちを見ると怒りを感じる」という彼女の言葉は、彼女の優しさと強さを示しています。愚かな戦争が後世に与える影響の深さを再認識し、これは後世に伝えられるべきことだと思います。

終戦の玉音放送を聞いていたシーンでは、淡谷のり子さんにそっくりな表情で驚きました。彼女の時代を生きた淡谷さんにとっては、ものまね番組での清水アキラの態度に対する叱責も理解できるものだったでしょう。

特攻兵は、ほとんどがまだ十代の若者で、愛や恋を知らずに死に向かっていたことを考えると、淡谷さんのショックの大きさは計り知れません。

ドラマの第一話では、スズ子が赤ちゃんを茨田さんに預けてステージに立つシーンがあり、茨田さんとの距離が縮まり、愛助との関係が深まるにつれ、そのシーンが意味深く感じられます。

本ドラマを通じて、笠置シズ子だけでなく淡谷のり子さんの再評価が進むと良いと思います。現在の60代、70代の人々でさえ、彼女のことを十分には知らない方が多いですから。

若い世代にとっては、淡谷さんの実際の歌唱はあまり知られていないかもしれません。「君忘れじのブルース」、「別れのブルース」、「嘆きのブルース」など、彼女は戦前1930年代にシャンソンを歌っていました。美輪明宏さんがカバーしたアルバムがありますが、我々の世代には、歌合戦やものまね番組のコメンテーターとしてのイメージが強いですね。

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