朝ドラ「らんまん」田邊教授のバイオリンが悲しく、奥さんの聡子さんの存在だけが・・・

第98話では、留学先のアメリカから帰国した佑一郎(中村蒼)が十徳長屋を訪れ、万太郎(神木隆之介)と寿恵子(浜辺美波)は彼の無事の帰国を喜びました。佑一郎の仕事は順調だったものの、人種差別を目の当たりにしたと述べました。草花に一切優劣をつけない万太郎の姿をあらためて称える場面もありました。一方、暗殺事件により恩師である森有礼を亡くした田邊教授(要潤)の元に、女学校廃止の報が突如届きます。時代の風向きが変わろうとしていたと語る語り手・宮崎あおいの言葉で締めくくられました。

田邊教授は女学校廃止に関する官報を受け取り、批判的な報道にさらされる。美作教授にからかわれ、自宅で酒に溺れる田邊に対し、SNS上では聡子の選んだネクタイを褒める声もあがるが、田邊の未来は不透明である。

田辺教授のヴァイオリン、ソロだからいつかシャコンヌ(パルティータ2番)に行きつくかと思っていたら、今日がその日だった。個人的には、万太郎の植物学教室への出入りを禁じた日にシャコンヌを弾いて、万太郎との関係を完全に断ち切ると勝手に想像していたんだけど、その日はアダージョ(ソナタ1番)だった。まだ、心の片隅に万太郎がいるんだろうね(寿恵子は「万太郎にご執心」と言ってたけど、それとも違う気がする)。

田辺が権威を振りかざす姿勢には人間的な小ささを感じてしまうが(だから美作にもおちょくられる)、役職に捉われず、田邊が純粋な“一人の植物好き”として再び万太郎と心を通わせるシーンも見てみたい。闇落ちしたまま終わるのは悲しい。

万太郎は変わらない。 変わらないでいられるのは、寿恵子が頑張っているから。 たぶんテレビを見ていた皆がそう思ったと思います。

寿恵子がいなかったら、借金でおかしくなっただろう。 倉木さんみたいに自暴自棄になっただろう。

周りに人がたくさんいたとしても、借金の肩代わりをしてくれるわけではありません。 万太郎は寿恵子にいくら感謝してもしきれません。 これからも感謝の気持ちを持って、寿恵子との生活を続けていってほしいです。

美作教授が田邊教授のネクタイに手を伸ばすときの身長差が良かったね。こういうときは、「低」から「高」に攻めるほうが嫌味感がある。要潤さんは公称185センチ、山本浩司さんは同166センチ、この場面を想定しての起用か?

エラそうな人がエラそうな人に「いつもエラそうだね」と言うのもおもしろい。

森有礼という後ろ盾を失って、田邊教授の立場が悪くなる。嫌味を言う美作はしてやったりと思っている。やけ酒をあおりたい気持ちも分かる。今まで従順一辺倒だった聡子は毅然として酒を出さない。強気の聡子は良い。

酒に逃げる田邊教授と、それをきりりとたしなめる聡子さん。田邊教授が小さく、聡子さんが大きく感じました。

寿恵子さんが子どもたちと外出する場面で、千歳くんがよろけて(ちびっこが慣れない下駄で歩くのはより難しいはず)しまいました。狙ってできることではないでしょうから、台本にはなかったと思います。もしかしたらNGシーンだったかもしれませんが、浜辺美波さんには慌てる様子はなく、母親らしさがにじみ出ていて、より自然でほほえましい場面になったと思いました。

今日も良かったですね。 風船が飛んだり、男の子が転んでも、寿恵ちゃんは自然な演技を見せてくれました。ただ、官報を持ってきた女中さんが場を去らずにいたのは「?」と思わせました。何かの伏線でしょうか?違和感を感じました。

聡子さんはとても良くなりましたね。芯の強さと聡明さがしっかりと表れています。すえちゃんのおかげで、田邊教授も思いもよらぬことが起こったでしょう。とにかく、明日の冒頭が楽しみで仕方ありません。

森有礼大臣が暗殺され、田邊教授の立場が危うくなる前に、低俗な小説を新聞に掲載させた首謀者が美作教授であることが、今日の非情なセリフで確信できました。更に大学総長との関係まで危うくなりそうな勢いですね。因果応報でしょうか。

聡子さんが、お酒を持って来いと言う教授に対し、毅然とした態度で抗議するのでしょうね。聡子さんは田邊教授を心から愛していることが、いつも表情から伝わってきます。

しかし、女学校は終戦まで残り、戦後は女子校と呼ばれ、今に至っています。女学校が存続の危機に陥ったことは知りませんでしたが、女子には学問は不要という固定観念が残っていたのは確かだと思います。

佑一郎は、白人による人種差別を真近で見て、万太郎の純粋な植物愛が以前のままであることを改めて尊重し、これからもそのままでいてほしいと願いを込めたそうです。やはり、佑一郎はいつも、万太郎に大切な指針を示してくれる友達だと思いました。

田邊教授は校長でありながら、官報で女学校が廃止されることを知るまで気づかなかったようです。彼が政治関連の仕事をしているにもかかわらず、孤立していることを示唆しているように感じました。美作からの批判は、彼が孤立していることを裏付けているように思われました。

聡子の表情は、優柔不断さがなくなり、強い意志を感じさせました。彼女は田邊教授の混乱に対応しなければならない立場にありますが、自信に満ちた態度を崩さずにいました。

明日の展開が楽しみですね。

月曜日は「なすびの運送屋」と「ジョイマンの郵便屋」、火曜日は「借金取り」、水曜日は「佑一郎」が長屋にやってきました。木曜日には、誰が来るのでしょうか?

佑一郎は、「人が人を差別するなんて、やじゃの」と言いました。それは昔も今も変わらないことです。

佑一郎は、「おまん、このままずっと変わらないよ」と言いました。 万太郎は、「変わるわけないやろう」と答えました。 二人は仲良しの友達ですね。

美作は嫌味ったらしく言った。「なぜ、あなたは自分だけがそんなに偉いと思っているのですか?」という言葉は、私たちに突き刺さった。

前半では、アメリカの人種差別とどんな植物に対しても愛情を持って接する万太郎との対比が描かれていました。後半では、万太郎と大学の懇親会に参加する一方で、途中で退席してしまう田邊教授との対比が描かれています。

田邊教授も、そろそろこの物語から去る時が来たようですね。最後に、新種の植物を見つけて、最終の美を飾るのでしょうか。入れ替わりに徳永助教授が戻ってくるのでしょうか。万太郎も東大に復帰するのでしょうか。

番組でも言っていたように、「廃止」ではなく「分離」です。

東京高等女学校(お茶の水女子大学附属中学校・高等学校)は、明治15年に東京女子師範学校(お茶の水女子大学)の附属校として発足しました。しかし、明治16年に西南戦争の財政難で女子師範学校が東京師範学校女子部として統合され、高女も東京師範学校の附属となりました。明治19年には東京師範学校が東京高等師範学校に改組され、女子部は女子師範学科に改組されました。そして、明治23年に女子師範学科が高師から分離独立して女子高等師範学校となり、高女は高師から文部省直轄を経て女高師の附属に復帰しました。

この時、矢田部は校長を免職されました。しかしこれは、附属先が変わっただけで何も問題がなかった場合、免職されることはなかったでしょう。「矢田部降ろし」は、東京盲唖学校校長の辞任、東大教授の非職、そして免官と続いていきました。

校長が学校の廃止を知らず、新聞の方が早く知ったという出来事があったのですね。田邊教授はこれまで森有礼のおかげで順調にやってきましたが、これから試練の時を迎えることになるのでしょうか。聡子さんは黙って夫に従うだけでなく、言い返すようにもなったのですね。

森さんを悼むバイオリンが悲しかったです。田邊教授は聡子さんを後添いにしたとき、目が確かだったと思います。史実通りに進むにしても、この夫婦の幸せを祈りたいです。

佑一郎が持ってきたアメリカ帰りの土産話は興味深く、悪しき奴隷制度を絡めたアメリカの差別の実情から南北戦争の傷跡の話まで、硬い話題も含まれていました。しかし、もっと軟らかい女性関係の話も聞きたかったです。町中でも女性たちが色めき立つほどの良い男だし、あちらの国でも浮名を流していたのではないでしょうか。というか、まだ独身なのでしょうか。

美作さんだけは、良さが描かれていないように感じました。いつも子分を従えてネチネチといやらしいことをしている描写もありますが、どこか憎めないところもあればよかったです。

万太郎は寿恵子におんぶに抱っこされていますが、田邊教授はもっと聡子さんを信じ、弱みを見せなければなりません。

佑一郎くんはまた遠くに行ってしまいました。もう少し物語に絡んで欲しいですね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました