朝ドラ「らんまん」浜辺美波さん誕生日おめでとうと田中哲司さんの徳永教授

第108話では、里中(いとうせいこう)と岩崎(皆川猿時)の推薦により、万太郎(神木隆之介)が学術研究員として台湾へ派遣されることになります。恩田(近藤公園)からは護衛用にピストルを購入し、調査団では日本語の使用が命じられますが、万太郎は納得できませんでした。

この調査は国力増強を目的としたものです。徳永(田中哲司)は、「今は軍人には楯突くな。おまえはもう個人じゃない。帝国大学、国家の機関に属する人間なんだ」と述べ、細田(渋谷謙人)は、「本当に自覚しろよ。要はうまいこと調査して、成果を上げろということだからな。知らないんだ、おまえは。留学先で、日本人がどれだけ惨めか。国が力を付けて初めて、俺たちの立場も変わるんだ」と厳しい言葉を投げかけた。

寿恵子(浜辺美波)は、お守り代わりに「日本植物志図譜」を差し出し、「荷物にはなりますけど、これが万太郎さんのことを一番守ってくれると思います」と語った。

1896年、万太郎は神戸港を出発し、3日間の船旅を経て約1800キロ離れた台湾・基隆(キールン)港に到着した。現地の案内人である陳志明(朝井大智)に台湾語で挨拶を交わした。

義母は戦前台湾で働いていました。当時、現地の人々をとてもいい人たちだと思っていました。しかし、終戦を迎え引揚船に乗る日、義母たちは石を投げられ罵倒され、血だらけで泣きながら帰国することになりました。この出来事がきっかけで、義母は生涯台湾を嫌い続けました。台湾の人たちにも複雑な感情があるのだろうと思います。万太郎との交流が温かいものとなることを願います。

かつて、父親の知り合いが戦争に行って無事に帰還したものの、今も夜は怖くて電気を消して眠れないという話を聞いたことがあります。万太郎は植物にさえ優劣をつけない人柄ですが、台湾での経験は、のちの人生に大きな影響を与えることでしょう。心配になりますが、寿恵ちゃんのことを考えて借金が減ると喜んでいただけに、今週に入ってとてもつらい展開が続いています。

徳永教授や細田は留学から帰国してから、何か雰囲気が変わったように見えました。それは、外国人から見た日本の立ち位置の低さを痛感したからです。この頃から、富国強兵を目指す日本国で、軍人の傲慢さが見え始めたのかもしれません。

万太郎は、日本統治下の台湾に渡り、現地の言葉を使うことを禁止されていたにもかかわらず、台湾人の案内人にも挨拶だけでもと、台湾語を使いました。そして、ラストで不穏な顔を見せた案内人のジーミンさんは実は反日本の活動家だったのです。先程見せた万太郎の誠実さが助けになれば良いのですが…。

細田さんの言葉「留学先でどれだけ日本人が惨めだったか」を聞いた徳永教授の表情は、その通りであることを示していました。「国力を上げてこそ、我々の立場も変わる」という考えが、当時の日本を支配していたのでしょう。

そんなシーンの後だけに、波多野君と野宮さんと純粋に植物の会話をしている時の万太郎の表情が、活き活きとして楽しそうでした。

1995年に日本に割譲されたものの、台湾の治安の不安定さを示す意見もあったため、ビストルの購入が指示されました。1996年に台湾に着き、日本語を使用することが強制されました。当時の台湾は、日本人に好意的に接する人ばかりではなかったと思います。

最後の案内人の表情が気になりました。何かを隠しているように見えました。

統治下におかれ、自分たちの言葉も取り上げられた台湾の人々にとっては、まあ、日本人を憎む気持ちがあるだろうと思います。一方で、反対の立場を考えれば、その気持ちも理解できます。このドラマでの万太郎の「のらんまんさ」がどのように活かされるか楽しみです。

万太郎のキャラクターなら、里中先生から「台湾に調査に行ってくれ」と言われたら、すぐに「ありがとうございます!」と引き受けると思います。ピストルのことはさておき、言葉がどうであれ、快諾した後、波多野たちに「1ヶ月もないき、たいへんじゃ〜」と愚痴りながら、楽しそうに準備を始める万太郎を見たかったです。

最後に、寿恵子ちゃんは今日も賢かったですね。浜辺さん、昨日はお誕生日おめでとうございます!

陳さんはきっと良からぬことを企んでいるのかもしれませんが、いざ行動に移そうとすると、万太郎が台湾語で挨拶したことで誠実さを感じ、非情になれないのではないでしょうか。きっと、すえちゃんが持たせた図譜もキーアイテムになるのでしょう。

陳さんの目つきは、初めて会った倉木さんのそれのようでした。何かを盗んでやろうと言わんばかりの悪意に満ちたものでした。

ここからは想像ですが、陳さんは隙を見て万太郎の持ち物を物色しました。しかし、ピストルのようなものは見つからず、あの図譜が…。

ああ、この人は純粋な植物学者なのだと、陳さんに理解されたことで仲良くなったのです。

ちなみに、もう亡くなられましたが、近所に台湾から復員したおじいさんがいらっしゃいました。おじいさんは、対日感情が悪くなかったため、戦後何度も台湾と行き来され、現地の方とも家族ぐるみの付き合いをされていたようです。

以前、台湾の人と話した時、私が高砂族(台湾の山岳地帯に住む人達)のことを出すと露骨に差別的なことを言われ、嫌そうな顔をされました。私が話したのは、太平洋戦争から帰って来た親戚の人が、ニューギニアのジャングルの中で苦しい退却をしているとき、日本軍と共に戦っている高砂族出身の人から食べられる食物を見つけてもらい、増水した川では渡り方を教えてもらい、本当に助けられたということを話しただけでした。どうも嫌そうな顔をした人は、戦後になって台湾に逃れて来た国民党の中国大陸系だったようです。ちなみに、日本兵として戦った高砂族の人達は戦後、台湾に帰ると日本軍に協力したとしてさらに差別されたそうですが、多くの元日本兵の方が差別を無くすよう援助し運動したそうです。ただ、日本が台湾統治を始めた当初は、高砂族の人達は強烈に日本に反発し、反乱も起こしたので(霧社事件等)、万太郎も多分、植物採取のため台湾奥地に分け入るでしょうが、危険な目に合わなければ良いですが。

台湾との今後の友好関係のためにも、彼が悪いことをする展開にはならないと思います。今までは、日本人に反発していたようですが、万太郎のおかげで、彼に好意を持って親日になるという展開になるかもしれません。支配者が被支配者側の言語を話すということは、好印象を与えます。

他の日本人とは正反対の(友好的な)対応に却って猜疑心を抱いたのだろうと思います。

当時の日本は勝者であり征服者でした。したがって、現地の人々は面従腹背で軍人や役人と接しており、「この人の本当の意図は何か?」という不信感を持っていたことは当然でした。

万太郎の本当の性格が分かったら、お互いに理解し合うことができるかもしれませんが、日本に戻った後の万太郎の立場が心配です。

「軍人には逆らうな」という徳永教授の言葉が当時の状況を端的に表していました。この言葉は、庶民の常識として昭和20年8月15日まで続きました。

岩崎さんが万太郎を推薦したのは、学者として認めてやろうという考えからだったのでしょうか。 里中先生は、万太郎に台湾で何を期待していたのでしょうか。 明治時代の中期以降、日本は西洋諸国に追いつくための時代に入っていました。 しかし、日本の国際的地位はまだまだ低かったようです。留学した人たちはそのことを痛感したのでしょう。 万太郎が持っているのはピストルではなく、自販機の植物雑誌です。薄いため防弾効果はなさそうですが、笑えますね。

武器を持たないという選択は吉と出るか凶と出るか。 最後の案内人の目が怖かったため、危険にさらされる可能性がありますね。

万太郎の頑固さは本物ですね。 細田さんも留学先で肩身の狭い思いをしたようです。国から調査団として派遣されることは植物学者にとって名誉なことでしょうが、どこか物騒な展開になってきましたね。 万太郎の笑顔さえも曇って見えました。 当時、海外派遣の場合に限りピストルの所持が許可されていたようです。

朝鮮半島と比べて、台湾の統治はそれほど反日感情が高まらなかったようです。現在の日台の友好関係に繋がっていると思いますが、実際はどうだったのでしょうか。

20年ほど前に台北を訪れたとき、とても親切に接してもらいました。 台湾の植物を調査するには、日本と同じように山や森林に入るのでしょうか? ただ、日本とは異なり、危険な毒蛇が多数生息しているため、入るのは避けたほうが良いかもしれませんね。

万太郎のスーツが変わったかと、妻が言っています。スラックスが太くなったのは中年になったためでしょうか? 私(夫)はそのようなことに気づきませんでした。女性の観察眼はすごいですね。

今まで何度も万太郎のこだわりと空気の読めなさに若干イライラしてきましたが、多分今回もこの頑固さがプラスになるでしょう。彼は言語を学んでから行きたいとはっきり言っています。単に言われる通りではなく、現地の人とも交流したいそうですが、ピストルは持ちたくありません。

万太郎は留学していないため、留学経験については分からないでしょう。でも、どんな経験をしても、彼はきっと変わらないのでしょう。

万太郎は、波多野と野原が銀杏の実を分解しているのを手伝うと言ったが、話しながらも二人は手を動かしているのに対して、万太郎は少しも手を動かさなかった。神木隆之介くんは、余程不器用なのかなと思ってしまった。台湾語通訳のジーミンさんの目付きが不穏そうで、ピストルを持っていないと知ったとき、和らぐのか強行に及ぶのか、ドキドキした。

万太郎と台湾語でやり取りしていたときは穏やかそうな青年に見えたが、ラストに陳志明の表情がガラリと変わったのがゾッとした。一波乱も二波乱もありそうだ。万太郎のらんまんさが吉と出るか、凶と出るか。

朝ドラ考。当時と今では時代が違うということはひとまず置いておくとして、武器(武力)は不要で、身を守るのは学術的資料と主人公は語る。「そんなのはお花畑思想だ」と揶揄される現在だが、本当にそうだろうか?八月ジャーナリズムも薄れる月末ですが、考えさせる回でした。

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